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JUAM第26回定期総会・研究集会を振り返る

管理人Oです。ご購読いただいている皆様、ご無沙汰しております。
noteへの記事投稿が約半年振りとなってしまいました...投稿を心待ちにされていた皆様、お待たせして申し訳ありません。
この間に様々な取組みを行ってまいりましたので、お待ちいただいた分、お役に立てるような情報を発信させていただきたいと思います。

まずは、直近の出来事で「大学行政管理学会(JUAM) 第26回定期総会・研究集会」に参加しましたので、このことについて振り返りつつ学びを得た内容を報告いたします。
今年度はハイブリッド形式で開催され、私管理人Oは現地・成蹊大学で参加いたしました。(参考:こくちーずプロ https://www.kokuchpro.com/event/juam2022/

大学行政管理学会の概要は、学会ホームページからご覧いただけます。
一般社団法人 大学行政管理学会│大学行政管理学会とは https://juam.jp/wp/im/juam/

■「今だからこそ問うーWell-beingな大学運営ー」

全体テーマとして掲げられたのは、「Well-beingな大学運営」でした。

私自身、仕事・私生活を含め大学職員人生を謳歌しているとは実感しているものの、実際にそれが所属する大学全体、ひいては我が国の大学で考えたときにWell-beingな状態にあるのか、ということは今まであまり気にしていませんでした。JUAMには2020年12月に入会したため、今回の定期総会・研究集会が初の対面参加でしたが、"Well-being"をテーマとした会だったことから、より『大学職員として人生を謳歌することとはどのようなことか』考えられたと思います。

このテーマのもとに立案された各種企画に参加し、多くのことを学ばせていただきました。ざっくりとですが、「大学で働くことの意義」「研究会活動を行うことの意義」「研究を行うことの意義」を再認識できたことで、参加後の意識が変わった実感があります。

■初心者ナビゲーション

定期総会・研究集会の一発目の企画として、JUAM会員になりたての方々を主な対象に据えて、事例紹介を通して「JUAMの歩き方」を知ってもらう初心者ナビゲーションが開催されました。この企画は、各種研究会での活動経験や、行った研究内容について学会誌投稿する経験のある方々が登壇され、参加者の今後の活動のヒントになるような機会提供を目指して実施されています。

なんと、私はこの企画に登壇者として参加させていただきました。

私自身が入会2年目でまだ完全に「JUAMの歩き方」を把握していない状態でしたが、普段から活動させていただいている研究会での活動、関心のある国際分野での活動、諸先輩方を見て思い描く歩き方をまとめて発表しました。思いのほか反響があり、活動の参考になった、国際系の話が聞けてよかった、など登壇者として嬉しいお言葉を頂けました。
また、対面会場では、参加者グループが活発に意見交換されている様子も見て取れ、ネットワーク形成の一助となれた気もして嬉しくなりました。

登壇のオファーを頂き、当日どころか発表中まで緊張が続いていましたが、終えてみればとても有意義な時間になりましたし、改めてお声掛けいただいた企画者の皆様に感謝の気持ちを抱くようになりました。もちろんオファーを頂いた際、企画終了後にもお礼を伝えましたが、振り返ることでより深く感謝することになったと思います。

・大学で働くことの意義

今回の登壇をきっかけに、本務や、学会活動を含む本務外の活動を振り返りまとめる時間を作ることができました。このまとめを通して、自分自身が「大学で働くことの意義」を再認識できました。これらは、教育に関わる職であるからこそ見出されるものだと思います。

大学で働くことの意義(管理人Oの振返り)
(1)高等教育界に多少なりとも貢献できる
(2)自身の関心事を中心に"学際的"な協働を実現できる
(3)多種多様な人材に出会える

■ワークショップ

ワークショップでは、所属する大学改革研究会として開催した「メタバース」をテーマとしたワークショップに携わりました。先輩職員の手ほどきのもと、企画立案の手法であるヒコーキモデルを用い、核となる運営メンバーの思いを起点にしてメタバースの可能性を考えるワークショップを作りあげました。

余談ですが、初めて本格的にヒコーキモデルを使い企画を立てましたが、メンバーの思いを「エンジン」に見立て、順を追って企画を作り上げるという画期的な方法として学び、目からうろこが落ちました。
ヒコーキモデルについては、研究会の先輩職員によって記事にまとめられていますので、企画等で活用されたい方はぜひご一読ください。
【雑感・私論】ヒコーキモデルを活用した企画検討 https://hiroaki1214.hatenablog.com/entry/2017/03/04/142420

さて、話をワークショップに戻しまして、当日は現地・オンライン会場含めて20名弱の方々にご参加いただきました。現地会場ではVRゴーグル(Meta Quest)を準備し、参加者の皆様に実際にメタバースを体験いただきました。企画リーダーには、オンライン会場からメタバースに入られた方々と、現地からMeta Questでメタバースに入られた方々の両方を案内してもらうというハードな対応が強いられたため現場では多少の混乱状態とはなりましたが、それでも参加者の皆様には複数のワールドを体験してもらうことができ、ご自身なりのイメージが湧くきっかけとなったのではないかと感じた次第です。

体験後のディスカッションでは、『①20年後のメタバースはどうなっているか自由に発想する』『②大学運営におけるメタバースの可能性を考える』ワークを行いました。

20年後を想像した究極なアイデアとしては、「死ななくなる」「意識のバックアップがメタバース上に取れる」「現実の自分とは全く違うアバターを生成してメタバース上で何度も人生をやり直せる」などのアイデアを出していただきました。大学運営におけるメタバースの可能性としては、「メタバースインターン」「メタバース留学」「メタバース勤務」に表されるように、時間的・地理的・物理的制約を取り払うようなアイデアが出ており、これらを含めて「メタバース大学」というアイデアも出されていました。

これらのことから、ご参加いただいた方々の中では、大学運営においてメタバースは可能性を秘めていると肯定的に捉えられているのかなと感じることができました。

・研究会活動を行うことの意義

普段から研究会活動に定期的に携わっているのですが、今回のワークショップを通して得た経験から、より具体的に「研究会活動を行うことの意義」を考えることができました。部署を越えたコラボレーションが多い場合には、もしかしたら大学内での活動も当てはまるかもしれませんが、研究会活動を通して、他者との協働によって見出される意義を発見できると感じます。

研究会活動を行うことの意義(管理人Oの振返り)
(1)コミュニティの運営手法を知れる
(2)ファシリテーション能力を鍛えられる
(3)物事を多角的に捉える/多面的に視る力を養える

■分科会・事例研究発表

本来、分科会と事例研究発表は異なる枠組みなので一括りにしてしまうのはいささか不適切かもしれませんが、私の学びとして、両者から同様の学びを得たので、本記事では一緒にまとめて紹介いたします。

・分科会

今年度の分科会は、分科会3「研究活動が大学事務職員にもたらすWell-being」に参加しました。

4名のご登壇者からは、研究活動を通じて得たご自身の経験について、日本人の幸せ度を構成する4つの因子【自己実現と成長】【つながりと感謝】【前向きと楽観】【独立と自分らしさ】という観点(参考:https://news.mynavi.jp/article/20200918-1313798/)から振り返って、それぞれについてコメントいただきました。

共通して、幸福につながる4つの因子それぞれに研究活動がポジティブな影響を及ぼしているとのことを聞き、その理由を私なりに考えてみました。恐らく、現在の所属部署に関係なく、「研究」を通して自らが抱く課題意識に対して取り組むことができることから、これら4つの因子が充実するのではないかと思った次第です。

このことを考えると、元々、自由に社会に対する仮説を立てその検証を行う活動は自分の性分に合うというのもあり、私も「研究」を通して幸福を感じるのかもしれないと、ふと気づきました。

・事例研究発表

事例研究発表では、様々な方の発表を聞くことができました。発表では、質問票等による量的調査や、インタビュー調査によって収集されたデータを分析し、高等教育にまつわる事象を読み解くような内容が多く、とても刺激になりました。

私自身は研究手法に疎いため、今回拝聴した内容を通じて、然るべき手順を踏んでリサーチ・クエスチョンを立て、先行研究を調べて自身の研究意義を確立し、そして正しい手法を選択して研究を行う、というアカデミックな作法に触れられました。

・研究を行うことの意義

分科会および事例研究発表の時間を通して、私自身の「研究を行うことの意義」を熟考できました。これから学会誌への投稿も進めることとなるため、これらの意義が満たされると考えるとワクワクしてきます。(実際の作業はとてつもなく大変だと思いますが...。)

研究を行うことの意義(管理人Oの振返り)
(1)社会に対する仮説を検証できる
(2)アカデミックな分析・評価の手法を身につけられる

おわりに

本記事をお読みいただきありがとうございました。

まとめると、定期総会・研究集会への参加を通して私が得た学びは以下のとおりです。恐らく私にとって、これらの意義が満たせる環境になって初めて"Well-being"な大学職員人生を歩んでいると言えるのだろう、と再認識することができました。

①大学で働くことの意義
 (1)高等教育界に多少なりとも貢献できる
 (2)自身の関心事を中心に"学際的"な協働を実現できる
 (3)多種多様な人材に出会える
②研究会活動を行うことの意義
 (1)コミュニティの運営手法を知れる
 (2)ファシリテーション能力を鍛えられる
 (3)物事を多角的に捉える/多面的に視る力を養える
③研究を行うことの意義
 (1)社会に対する仮説を検証できる
 (2)アカデミックな分析・評価の手法を身につけられる

初の対面参加でこの度の定期総会・研究集会に参加したわけですが、このように多くの学びを得られたのは、ひとえに会場校としてご準備くださった皆様、運営として奔走された皆様、そして参加された皆様のおかげと思います。末筆ながらお礼申し上げます。

【管理人O】



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