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華道は心が表れる_花器に表れる自分の心

私自身、23歳の時に華道と出会った最初から
「道を極めよう」
「人間性を高めよう」
などとは全く考えていませんでした。

「華道は心が表れる」
「花器には自分の心が表れる」

なんとなく感じるようになったのは30歳くらい。
実感できるまで、さらに数年かかりました。

私自身が華道の本質に実感でき
華道からの学びが人生において
様々な影響を与えてくれるものだと確信できたのは40歳くらいでした。

なんとなく取り続けていた華道のお免状
華道教授資格と庵号許を授与された頃から自分の中で
開華道 Kaikado の活動を意識し始めたように思います。

30歳を過ぎた頃、一度だけ先生に助けを求めたことがありました。
その日は、何度生け直しても納得できず
自分でもどうしたいのか訳わからなくなってしまい
先生に助けを求めたのです。

その時、先生に
「あら珍しい。お仕事お忙しいの?」
と優しく声をかけてくださったのですが、私は心の中で
「確かに忙しいけど、それとこれとは関係ない」
って叫んでいたのです。

その頃の私は、仕事のことや職場での人間関係に悩んでいました。
「平日と休日は気持ちを切り替えないといけない」
「休日にまで会社でのことを考えたり悩んだりしてはいけない」
必死だったのです。

「気持ちを切り替えて楽しむ時は楽しまなければいけない!」
心のどこかで出来ていない自分に気付いていたから、それを隠す事に必死でした。

そして出来ていない自分をその頃の私は認めることができなかった。
できていないこと必死で隠そうとしていたけど
バレバレだった事に全く気付いていない私だったんです。

それから、2年くらい経ってからでしょうかある時
「あっ、花器に自分の心が表れるって本当なんだ」
って気付いた瞬間がありました。

その時に、過去の混乱していたあの時
先生に言われた一言が認められなかった自分を思い出し
「何で、あの時あんなに抵抗していたんだろう???」
素直に「疲れてる」と認めてあげたら、どんなに楽になれただろう?
抵抗すればするほどストレスは溜まっていくのに。

反省と同時に、もっと自分の心に素直になろうと思いました。

それ以来、人の作品を見ても感じ方が変わっていったのです。
「あの方は、いつも大らかに生けてるなあ」
「あの方の作品って、いつも上品な感じで素敵」

同時に、私自身も変化していったのです。
「今日は、疲れてて元気がないから大らかに生けるように心掛けよう」
「今日は気分がいいけど、落ち着いて生けみよう」
気分がいい時は、張り切りすぎて力を入れ過ぎてしまって枝を折ったり剣山に自分の指を刺してしまうような事もあるのです。

イライラしていたり焦っていたりする時も、そういう小さな事故は起こります。

いかに自分の心の状態を理解し
いい事も悪い事も認めてあげる優しさって
とっても大切なんだと実感しています。


そして、どんな作品に仕上げたいのか。
「上品に仕上げたい」
「ワクワクするような作品にしたい」
「気持ちが落ち着く作品」
仕上がりの作品をイメージすることで不思議と心もそのイメージに変わっていくのです。

たくさんの表現方法を楽しみ
「生けてみたら思ってたのと違ってた」
そんな事もありますが、それがまた楽しかったり新しい発見だったり。

可能性が無限にあるお花たちに楽しませてもらい
癒されたくさんの気付きのプレゼントをもらっています。