見出し画像

2階から投げたチョコを泣きながら受け取った、彼氏のじゅんくん。

友達の友達だった、5歳年上の彼氏のじゅんくん。
大学卒業後、消防士になりたくて専門学校に通ってて、時間を見つけては会いに来てくれる。
とにかく誰にでも優しくて、悪口言ったり、怒ってるところすら見たことも無かった。
一番の長所の「俺、人の悪口言わないって決めてるんだよね」って話を何回もしてくる天然のところも可愛くて、好きだった。

付き合って半年。
受験もあり、優しすぎるじゅんくんにイライラしてることも多くなった。

バレンタインの日。
「今日は会えない、ごめん。」
と、じゅんくんからメールがきた。
(なんでバレンタインに会えないの?忙しい中で、せっかくプレゼントも用意してたのに‼️)
私は号泣して、電話をしてじゅんくんを責めた。

すると、夜22時過ぎ。
じゅんくんから電話がきた。
「窓の外にいるよ、こっちこっち。」
2階の私の部屋から、窓を開けると下から手を振っていた。

家族に言えないから、外に出ることもあがってもらうことも出来ない。
「なんで来たの?こんな時間に来られても迷惑なんだけど‼️」
嬉しい気持ちより、バレたらやばいとかウザいとかの気持ちが勝ってしまった。

「顔だけでも見たかったんだ。バレンタインだからね。」
ニコニコしてるじゅんくん。
なんでか分からないけど、ニコニコしている顔にすごく腹が立った。

「これ、チョコレートだから‼️」
と言って、チョコレートをぶん投げた。
すると、運悪く屋根で止まってしまった。
屋根を登ってチョコレートを拾って、じゅんくんに落とした。

(バレンタインになんで屋根登らなきゃいけないんだよー、恥ずかし過ぎる。)
じゅんくんがこっちを見ている。
「(ありがとう)」
口パクで、うるうるしながら嬉しそうに言った。

その時に、別れよう、と思った。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?