2024.3.19 無題
煙草に火をつける。窓の外では雪が降っている。「はあ。」肩をすくめて深いため息をついた。一度吸った煙草を灰皿にねじつけ、コートを羽織る。いつ誂えたかはもう覚えていない。玄関でため息をつき、外に出た。ため息をつくと幸せが逃げる、と言う人が過去に何人かいたが、だから何だというのだろう。ため息をつく時点でおそらく幸せではないのだから気にも留めなかった。もうどのくらい歩いただろうか。下を向いたまま、行く当ても特に決めていないから、歩く速さも牛のようである。とにかく肉体を疲れさせることが