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連続事例検討会はじまります。 「支援困難事例の旅に出る」

16人の“途方に暮れない者たち”が集結した。困難事例を共有し、それについて語り尽くすためだ。私はその中に加わることができた。幸運にもだ。テキストは支援困難事例と向き合う 18事例から学ぶ援助の視点と方法
故岩間伸之先生の著書である。

参考図書はこちら
毎週土曜日夜、全20回・90分。開催期間は4/6-8/10。
事例検討会の名は「おとぎ塾」

目的は、対人支援における心構えのアップデート

連続事例検討会「おとぎ塾」の主催者、地域包括支援センターで働く社会福祉士のこじまさんは言う。「私も多くの高齢者や家族の相談対応支援を行っていますが、関わり方で悩むことは多々あります。何年やっても未熟さを痛感する日々です。日々の仕事に志高く向き合っているかいスぺの皆さんと事例を通し話をして学びを深めることで、工夫やヒントを得たり、辛さや憤りを共有や共感をして、皆が少しでも心構えを更新できたら・・・そうあったらいいなと思っています」 

どんな事例を困難と感じているか?

自主的に集まった人たちは、介護職だけでなく福祉用具専門相談員や医療職(看護師・医師・理学療法士・言語聴覚士等)、家族介護当事者、介護や福祉の周辺事業者などなど総勢16人。

それぞれが口を開く。「そもそも介護サービスを受けようとしない」「希死念慮を抱き続ける」「本人が困ってないのに周りが大騒ぎしている」「不法滞在により強制送還された利用者さん」また、さまざまな専門職が自由に意見を出し合った。「土壌が不安定でバリアフリーがかなわない(物理的な困難)」「困難事例は複合的な要素が絡んでいるのではないか?」「SPACEの別コンテンツ【在宅ワンダーランド】は困難事例のオンパレード」

ケアしている側が勝手に困難事例にしているケースもあるのでは?という視点も熱い。「1対1のケアでは、ヘルパー自身が抱える不安が困難事例を加速させる」「専門性の高すぎるオンリーワン介護は疑問。ヘレン・ケラーのサリバン先生みたいな“奇跡の人”だけでは通用していかない」「入居費や食費の値上げラッシュによる困難さもある」「役所の言い分は困難である」「障がい者の独り暮らしを推し進めるために、虐待を持ち出すヘルパーの是非」などなど。テキストの内容にとどまらず、意見も切り口も出しまくり煮詰めまくっていく会となる予感と期待。

裏目的!?

“おとぎ塾”には、困難事例の検討という表向きのテーマとは別に裏のテーマがある。それは、①「私はこう思う」の表現を豊かにしよう。②「人の考えを聴く」を大切にしよう。③岩間伸之先生への「敬意」そして挑戦……だ。目指す場所は、未踏の地ではない。だが、安住の地でもない。身近な未来を少しでもよくするため、途方に暮れつづけるのをやめ、旅の列に加わった。

オンラインコミュニティ「SPACE」について

「SPACE」は、“介護”に関心を持った仲間が集うオンラインコミュニティです。組織や地域を越え、前を向く活力が得られる仲間とのつながりや、 自分の視点をアップデートできる新たな情報や学びの機会を通じて、 一人ひとりの一歩を応援できるコミュニティを目指しています。入会できるタイミングは、毎月1日と15日の2回です。詳しくは以下をご覧ください。

書いた人

もっちぁん
現場で働きつづける介護福祉士。特別養護老人ホーム勤務(グループリーダー)、他に介護支援専門員と社会福祉士を名乗れる。

※おとぎ塾では、『支援困難事例と向き合う』(中央法規)に掲載された18事例を元に、オンラインコミュニティ“かいスペ”の有志メンバーが意見を出し合う検討会を開催。本記事はその様子をレポートしています。


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