お父さんは認知症。

一人っ子遠距離介護のはじまり

母が亡くなってから、猫一匹と独居を続けてきた父。
東京で暮らす私の自宅と、北関東の実家とは、およそ150kmの距離。

いまから3年前、親戚の葬儀で喪主挨拶を代理で頼まれた父。
自分で書いた原稿が、全く読めない。
「えー」「あー」「うー」
あまりの奇妙な様子に会場がざわつく。
(うわー… もしかしてこれ、認知症ってやつ…?)
来るべきときが来たか。
思えば、ちょっと前から気になることはあった。感情失禁、状況理解の曖昧さ etc。
どうやって認知症外来に連れていくかで、帰路は頭がいっぱいに。

数日後、「健康診断でひっかかったから再検査ね」などと言いくるめ、認知症外来へ連行。
診察。
いかに自立した生活ができているかをスラスラと喋る。できてないことでも喋る。難解な言葉もお手の物。俺は元第一線のビジネスマンというアイデンティティがそれを支えている。

数十分後に出てきた脳のレントゲン。
「これでよく独居できてますね…!」
と医師が驚くほどに、海馬が委縮しきっていた。

認知症確定。

早朝から移動してきた疲れ、連れ出しに際する心労など重なり、診断を聞いて「やっぱりそうか」「これからどうしよう」「何からやればいいの」と、暫しボーっとしてしまう私。

するとどこから現れたのか、専門ケアの人が後ろに立っており、今後やるべきことや受けられるサービスについて説明をうける。
めっちゃ滑らかすぎるフローにびっくりしつつも、非常にありがたい。
介護サービス?
介護認定?
包括支援?
言葉だけ知っていても中身は知らない言葉のラッシュ。
介護初心者には全てが初めて、全てが勉強。

手始めは、私のサポート回数を増やし、在宅介護支援サービスを受けながら、独居がどこまで可能か様子をみていくことに。
遠距離介護のはじまりはじまり。

これまでと現在。

Chapter1:在宅介護支援
 ↓
Chapter2:大怪我して入院 からの老健
 ↓
Chapter3:グループホーム

と辿り、先日グループホームに入所、Chapter3へ突入。
要介護2。
怪我から一気に認知症が進み、介護の内容も対応のしんどさもヒートアップ中。

一人っ子、頼れる親戚ナシ(みんな老人、遠方)。
年の近い友人はまだ介護年齢じゃなく(あと10年くらい後かな)、情報交換や愚痴を言い合うことも叶わない。
そんな条件で、
やったこと、わかったこと、よかったこと、考えたこと、苦しかったこと、失敗したこと。
父の起こすトンデモ事件簿。
介護と仕事、介護とプライベート。
…など、認知症独居親の遠距離介護について、よしなしごとを吐露していきます。



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