介護現場「ユニット型」の強みとは?〜「想いのある臨機応変さ」が「個別ケア」だと思っていた〜
こんばんは!ikedaです!
現在はユニット型の特別養護老人ホームで働いています。
それぞれのご利用者に合わせた「個別ケア」がユニット型の強みですが、働いてみた感想は従来型と大きくは変わらず… 今日はそのことについて書き留めたいと思います。
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わたしが想像していた個別ケアは、業務時間の流れはあっても、好きなドラマがあったらご飯が1時間遅れても良かったり。音楽を聴きながらコーヒーを飲むのが日課だったご利用者には、施設でもそのような環境づくりができたり。
「想いのある臨機応変さ」が個別ケアであり、ユニット型の強みだと思っていました。
しかし、実際は・・・
「もうすぐご飯だから食席に行きましょうか」の声かけは食事が提供できる45分以上前。
「あ、もうですか?」と居室で日記を書いている手を止めたご利用者のHさん。
「もうすぐご飯くるから!」と言う職員の声。
(うーん。ご飯くる時間もまだ30分あるし、盛り付けする時間とかあるから配膳まで45分以上近くかかるんだけどなぁ)と思う場面は多々あります。
「もうすぐご飯が来るから!」の「もうすぐ」は職員の時間軸であり、そこに合わせて頂くことの配慮を大切にしたいなと感じます。
そんな流れで、食席で座ってじーっとただ待つご利用者さんたちを見ていると、ご利用者の人数が小規模になっても介護者の考え方が変わらなければ従来型と変わらないなと感じました。
「もう少しだけ寝たい」「もうちょっとしてからご飯に行きたい」「今、面白いテレビやってて」いろいろな気持ちを教えてくれていたご利用者の気持ちにも変化。
「ご飯食べたけどわたし次何すればいい?」「トイレ今行っていいの?」「もうお茶の時間になるなら席に行った方がいいね?」「わたしはどうしたらいい?」と、
次第にこちらの業務の流れに身を任せて、自分はどうしたらいいか聞いてくるようになります。
自発性がなくなっていくご利用者の姿を見ると、こちらの力量不足を感じます。
「○○さんは何をしたいですか。」そんな問いかけをしてみると、逆にびっくりされることもあります。
「え、何だろう…何したらいいのかしら。こちらのご予定に合わせますよ」と気遣ってくれるお言葉。
ご利用者の生きがいとか、その人らしさ、気持ちの尊重ができる場にもっとならなくてはと思います。
職員主体になってしまうことは、ご利用者の可能性、意欲を奪ってしまうことなんだなと学びました。
業務時間の流れを意識することは介護施設において避けられないことではありますが、ご利用者主体の気持ちを忘れずに個別ケアの可能性を見出していきたいと勉強中です。