認知症BPSD新しいお母さん???
認知症ケアに関わるご家族にとって、BPSD(認知症の周辺症状)は本当に大変な事だと思います。仕事柄、認知症の方に関わる事が多く、子供や孫の事を忘れてしまう方を多く見て来ました。子供の事を忘れてしまう事は、歳をとったら腰が曲がる様な、良くある事だと思っていますが。ご家族がショックを受ける場合もありそうに感じています…
私がかつて、ヘルパーとして訪問していた独り暮らしのご利用者様は、お人形をとても大切にされて、可愛がっていらっしゃいました。ある時、ヒソヒソ声でお人形に話しかけていらっしゃいました。
「新しいお母さんだよ」
私は否定も肯定もせず、その日のサービスを終えて挨拶して帰りました。私の事を「新しいお母さんだよ」と紹介する事は、それから暫く続きましたが。いつの間にかそう言う事は無くなりました。
ご利用者様とは、訪問介護のサービス中、色々と話しをしました。「子供さんはいらっしゃいますか?」とお聞きすると、「いたかなぁ、どうだったかなぁ。今はこの子がいるけど…」とお人形の事を話された事がありました。実際には子供さんは複数人いるという情報がありましたが…
ご利用者様が子供さんの事を正しく話されることもありました。子供についての記憶は変わりやすいのかも知れません。
独り暮らしが長くなると、子供の記憶が薄くなって、お人形やヘルパーによる家族の再構築が起こったように見えました。ヘルパーとしては、ご家族の事を思うと、難しいと感じた出来事でした。
昼夜逆転や弄便があり得る認知症高齢者は、若い家族との同居はなかなか大変だと、私は考えていますが。親に自分の事を絶対忘れて欲しくない場合は、毎日など頻繁に会うようにする必要があると感じています。
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