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読書チャレンジ#66 聞く技術聞いてもらう技術

『聞く』は語られていることを言葉通りに受け止めること、『聴く』は語られていることの裏にあり気持ちに触れること。

【聞いてもらう、からはじめよう】
あなたが話を聞けないのは、あなたの話を聞いてもらっていないからです。心が追い詰められ、脅かされているときには、僕らは人の話を聞けません。ですから、聞いてもらう必要がある。

【聞く技術 小手先編】
①   時間と場所を決めてもらおう
・『どこで話そうか?』、『どれくらいの時間があるといいかな?』と尋ねてみる。相手がちょうどよい設定を提案してくれるはずです。
②   眉毛にしゃべらせよう
・ようは『反応している』のが大事です。反応があると人は嬉しいものです。眉毛がクイっとあがるだけで、ちゃんと聞いてもらっている感じがして、もっと話をしたくなる。
③   正直でいよう
④   沈黙に強くなろう
・情報交換のためにの話は、ペースが速いほうが効率がいいかもしれないけど、心の苦しいところを聞こうとするのであれば、ペースは遅いほうがいい。沈黙がたくさんある会話には、心が滲み出てくるものです。
⑤   返事は遅く
⑥   7色の相槌
⑦   奥義オウム返し
・ただこれ、最後の手段というか、奥義なんで、危険もあります。小手先臭が半端ないんです。僕の場合は『○○ということで合ってる?』って応用したりします。オウム返し改です。
⑧   気持ちと事実をセットに
・質問の基本は『詳しく訊く』に尽きます。『もうちょっと詳しく教えて』がベーシックな小手先。相手が気持ちを話している時、『具体的に何が起きたの?』と事実を聞く。逆に相手が事実だけを話している時は、気持ちを聞きましょう。5秒我慢して、そのうえで『どう思ったの?』って聞いてみる。事実と気持ちがセットで語られるとき、心は伝わってきます。

※相手との関係が悪くなったとき、それでも話を聞くためにはどうしたらよいのか?答えはシンプル。まずは聞いてもらうからはじめよう。話を聞けないときには、あなた自身が誰かに話を聞いてもらう必要がある。


【孤独と孤立のちがい】
孤独には安心感が、孤立には不安感がある。孤立しているときには話は聞けないけど、孤独になれるならば話を聞く力が戻ってくる。


【一瞬で解決しない】
どうしたらいいのか。きわめて凡庸な話ですが、『時間をかける』しかありません。メンタルヘルスのアルファにオメガは、つまり初歩にして最終奥義は、時間をかけて何回も会うことです。心の変化には劇的な一瞬ではなく、見守られながら流れる地味な時間の蓄積で起こるものだからです。魔法のアドバイスや運命の出会いよりも、地味な関係性の積み重ねのほうが役に立つ。時間を信じる。それがメンタルヘルスの最終奥義だともいます。


【心は複数ある】
誰にでも心が複数あることを思い出す必要がある。僕らの中には相手の矛盾した気持ちが両方あって、それらが押し引きしながら、日々の暮らしが営まれている。

【聞いてもらう技術 小手先編】
①   隣に座ろう
②   トイレは一緒に
③   一緒に帰ろう
④   ZOOMで最後まで残ろう
⑤   たき火を囲もう
⑥   単純な作業を一緒にやろう
⑦   悪口を言ってみよう
⑧   早めに周りに言っておこう
⑨   ワケありげな顔をしよう
⑩   トイレに頻繁に行こう
⑪   薬を飲み、健康診断の話をしよう
⑫   黒いマスクにしてみよう
⑬   遅刻をして、締切を破ろう
もし身近に『聞いてもらう技術』を使っている人がいたら、聞いてあげてほしいのです。『聞く技術』の本質は、『聞いてもらう技術』を使っている人を見つけ出すところにあります。


【それつらいよね】
人が人を理解することの根本は、専門家が専門的知識を通じて理解するというようなものではなく、ふつうに生活しているなかで知人と『それ、つらいよね』と交わす気持ちのやりとりなのだと思います。


【診断名のちから】
診断名には環境を大きく変えるちからがあります。仕事が失敗続きで、集中力を欠き、職場の人間関係でもトラブルを起こし続けている人に『うつ』という診断名がつくと、会社には仕事を調整したり、休職の手続きをしたりする義務が発生します。周囲の人も『お大事に』と声をかけ、いろいろ手伝ってくれるようになる。


・みんなが心配している。そして、本人もしばしその心配に頼ることができる。これが心の回復の核心です。
・苦しい気持ちを預かってもらえると、僕らの心にはスペースができます。
・おせっかいに案外ひとは助けられます。
・『なにかあった?』と声をかけ、彼らの抱えている複雑な事情を時間をかけて聞いてあげてほしい。白か黒か極端な結論だけでなく、その裏にある灰色の長い話に耳を傾けてほしいのです。

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