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「施設見学」で施設を見てはいけません

アリス学園 研修センターの寺西由美子です。

他の職種ではあまり一般的ではないかもしれませんが、
介護業界における就職活動では
応募する前に「施設見学に行く」ということがよくあります。

ハローワークにも求人誌にも求人サイトにも
たくさんある「介護職員募集」の情報。
その中から、
どこに応募しようか選ぶのですから、
「見てから決める」というのは重要なプロセスとなっています。

ところが、私はいつもこう言っています。
「施設見学」で施設を見てはいけませんよ、と。

では、いったい何を見学してくるのでしょう?

「〇〇ホームを見学してきたんですね。どうでしたか?」

施設見学してきたという受講者さんにこう質問すると

「新しくて、きれいでした~」
「すごい大きな施設でした~」
「あんなお風呂、はじめて見ました!!」

これは施設の建物設備についての感想ですね。
こんな感想しかもてなかったとしたら、
その見学、就職活動としては
あまり意味がなかったのではないかと
少し心配になります。

私がお勧めするのは
「施設の建物や設備の見学」ではなく、
「施設の中にいる人の見学」。

施設を見るのではなく、を見るのです。

「施設の中にいる人」とは?

まずは利用者さんですね。

「寝たきりの利用者さんが多かったです」
「車いすの方もいましたけど、
ほとんどの利用者さんは自分で歩くことができるみたいです」

自分が、
どのような利用者さんに
どのような介護サービスを提供することに携わりたい
と思っているのか
見学に行ってはじめて気づいたという人もたくさんいます。

「特別養護老人ホームとグループホームって何が違うの?」
「小規模多機能型居宅介護事業所って、どんなかんじ?」

施設見学は、
自分がイメージしている「介護の仕事」
どの施設の仕事内容に近いのか
テキストに書かれている情報だけではなく、
実際に目で見て確認し、感じることができる最大のチャンスなのです。

そして、もうひとつ。
ぜひ見ていただきたい「施設の中にいる人」
それは、そこで働く職員さんです。

「職員さんがどんな表情で働いているか」
「職員さん同士がどんな会話をしているか」
「職員さんが利用者さんにどんな声かけをしているか」
「(案内してくれている職員さんではなく、周囲で仕事中の職員さんが)
 見学にきた自分に、どんな声かけをしてくださるか」

こういったことにアンテナを張ると、
ここで働いている自分の姿も自然と想像がつくようになります。
想像の中のあなたは、どんな表情で働いていますか?

求人情報はたくさん。
どこの施設が自分に合うのか、
選ぶのは本当に難しいことです。

だからこそ
「応募先からいかにして採用内定をもらうか」
といった面接対策に時間を費やすより
そもそも
「どこに応募するか」
「どんな理由でどんな施設を選ぶか」

をしっかり考えることに時間をかけるほうが有意義です。

私が担当している就職支援の授業でも
毎回それこそが最大のテーマです。
一か八かの就職をしないために、
施設見学のチャンスを最大限に活かしてください。

「施設見学」で施設をみてはいけません。
見るのは人ですよ、人。

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