note記事にルビをふれるようになったと聞き
note記事でルビがふれるようになった、しかも青空文庫と(ほぼ)同じ書式。
興味があったので気になることを実験してみた。
ルビを振った部分が途中で改行する場合
気になったことの一つ目はルビをふった語が途中で改行する場合の表示です。
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ああああああああああああああああああああああああああああああああ青空文庫
あああああああああああああああああああああああああああああああああ青空文庫
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ青空文庫
あああああああああああああああああああああああああああああああああああ青空文庫
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ青空文庫
途中改行はせずに、次の行に表示してますね。
そうなるとルビをふる部分が1行よりも長い場合にどのような表示になるか気になります。
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ルビを振った部分が1行以上の場合
青空文庫の実際のデータにはルビをふる部分がとても長いものもあります。
ルビのように本文の長い文に長い注記(ルビ)がつくものがあります。
河口慧海の「チベット旅行記」には次のような注記があり、青空文庫のデータは忠実に再現されています。
これは実際の書籍のページです。
【講談社学術文庫 河口慧海:チベット旅行記(三)より】
実際の書籍で注記はどのように表示するのか確認するため文庫本を探して購入しました。
【河口慧海:チベット旅行記】の注記をルビとしてnoteで表示してみました(データは青空文庫より)。
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この法王宮殿の山の前を東南に抜けて広い道を七町参りますと長さ二十間幅三間程の橋があって、橋の上にはシナ風の屋根がある。その下を過ぎて一町余り行くとラサ府の西の入口の門に着きました。その門はちょっとシナ風に建てられて居る。それから中へ進んで行って左の広い道に沿うて二町余り行きますと、大きな広庭のある所に着いた。
noteではルビのつく部分は強制改行し、ルビだけまとめて先に表示し次にルビがつくはずの本文を表示しますね。
ルビ・本文ともに改行により1行よりも少ない部分は均等表示していますね。
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これらは iOS 用電子書籍アプリ 豊平文庫 neo文庫 を作るときに苦労した部分です。
※太字部分にルビを表示する方法は『note記事にルビ(ふりがな)をふれるようになりました!』に書かれていました。2021年9月18日修正
ちなみに neo文庫ではこのように表示します。
森鴎外の「渋江抽斎」も冒頭から漢文にルビ部分が続き青空文庫リーダー泣かせです。
過去にまとめた記事を書きましたが、各社の電子書籍アプリもアップデートにより表示が改善されているかもしれません。【最新版は未確認です】
古くて恐縮ですが:『電子書籍の表示は難しい』【iPhoneが3.5インチの時代の記事です】
現在の iPhone画面は1行の文字数がほぼ文庫本と同じだけ表示できます。
neo文庫は有料の青空文庫リーダーアプリです。
一度ご購入いただくと青空文庫でテキストで公開されている作品が読み放題です。
neo文庫のダウンロードはこちらのリンクから
ルビ部分の改行は難しい
長い文にルビがつく場合、文字ごとにどのルビが付くかは指定されません。
(漢字ごとにルビを設定することは可能ですが、青空文庫は実際の書籍どおりになっています)
このためルビがつく部分が途中で改行するとルビをどこまで対応させるかが難しくなります。
neo文庫ではルビのつく文字数とルビの文字数で案分し改行しています。
当然ルビの振り方が不自然になることがありますが、本文を通常表示することを優先しました。
neo文庫を作った時ルビを含む組版と格闘したのでnoteのルビが気になっていました。
noteのルビはこちら
青空文庫はルビだけでなく改ページや字下げや漢文の返り点なども決められています。
noteにより『ルビ』に関心が集まるのはありがたいです。
今後も記事を増やすつもりです。 サポートしていただけると大変はげみになります。