いつも突然

先日、2日つづけてヤツが出た。奇声をあげてスプレーを探しながら、去年は1回も出なかったのに!!!と憤り、怯え、騒ぎ散らす。うるさい私に呆れながら夫が頑張って対処してくれた。感謝。それから数日後にはヤモリが出た。一体どこから入ってくるんですか。奇声はあげずに済んだ。夫が可愛がっていた。
苦手な虫が現れると恐怖で大きな声が出てしまい、そのことに後から落ち込む。ネットで「虫 大声を出さない方法」などと調べたら虫恐怖症というのが出てきた。自分がそれに該当するかはわからないけど、生きる上で不便だから治したい。夏になると住んでいるマンションの階段によく蝉が落ちている。セミ。生きているのか死んでいるのかよくわからない蝉。脚が閉じているか開いているかで生死を判別できるというけど、そんなにじっくり見られるわけがない。階段に横たわるそれを認識し、絶望したのち、覚悟を決め、息を止めて走り抜けるあの瞬間。書いていて胸のあたりが重たくなる。

昨日は病院だった。医師がいつもより長くエコーを見たのち、赤子が小さめということで本格的に転院を勧められる。まじかあと思う。小さめ以外は異常なく超元気だけど、「なにかあったときに対応できるように」という理由らしい。希望するならここでも産めるけどNICUがないので何かあれば緊急搬送になる、とか。もちろん元気に生まれて何の問題もない可能性もある、とか。可能性。可能性。可能性。

リスクヘッジのためには最悪な場合を想定して動くのがよい。安全第一。頭ではわかるが心がついていかない。診察中に決められないので電話タイムをもらう。診察室を出て病院を出て、暑い中庭のベンチに座って夫とよく話した。
診察室に戻って、1週間考えさせてくださいとお願いした。医師はしばし無言のあと、早く決めんさいという表情で、しっかり考えるのは大事ですからね、と言ってくれた。
気持ちとしては100%今の病院で産みたいし、赤子も大丈夫な気がするという根拠のない直感が支配的なのだけど、やはり「万が一の可能性」のために転院することになるだろうと思う。ああ。33週。いろいろ調べまくって選んだ産院よ。計画無痛よ、母子別室よ、片道20分よ。いや、些細なことである。これから1週間で気持ちを落ち着かせよう。

ちなみに逆子は治っていなかった。違う、まだ治っていなかった。信じることが大事。がんばれ。小さいのでまだいける。


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