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ぼくのママはアメリカにいるんだと休む
本作品の帯には「バンド・デシネ(BD)の名作!」とあったり、「ドイツ児童文学賞受賞作品」とある。確かに、本作品のストーリーは、母がいない主人公が、母がいないことに違和感を抱えつつ生活している。そんな中で母と自分との距離を色んな周りの大人や友達と関わる中で探っていく、という感じだ。なんだか道徳の教科書に載っていそうな話だし、絵本にありそうな話だ。
それでは、本作品の作画等の雰囲気はどのような感じか実際中身をみてみたい。
本作品はこういうコマがしっかりと割ってあるところもあるが、
上記のページのようにしっかりコマがわってあるというか、なんとなくテキスト部分によって区切られているような箇所も多い。以前、メビウスの「アラン・マンジェルのスキゾな冒険」を紹介する中でも言及しているのだが、コマを細かく割るのはわりと日本的な漫画の特徴らしい。そういう意味では、本作品はバンド・デシネらしい作画的特徴で描かれているともいえる。
本作品では上記のコマのように大人はわりとしっかり描かれているのだが、
子供はこんな感じでわりと簡略化して描かれている。
また、上記の一連のコマを見てわかるように各ページ背景が微妙な色で彩色されていて、これがなんとも言えない優しい雰囲気を醸し出している。
このように本作品の主題は、児童文学的なものであるが、全体の作画の雰囲気や彩色のおかげで大人も楽しめる作品になっている。お子さんがいる方は一緒に読むもよし、自分だけでひっそり楽しむのもよしの名作だ。
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