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「未生(ミセン)」チャン・グレ(イム・シワン)が魅せるサラリーマンの生き様。

わたしが未生(ミセン) チャン・グレを推す理由。

58歳、専業主婦です。
私が好きな海外ドラマは韓国ドラマ「未生(ミセン)」。
このドラマではたくさんの魅力的な人物が登場しますが、その中でも推しのキャラクターはイム・シワン演じるチャン・グレです。


プロ棋士への夢を諦め、正社員にもなれなかった青年が、不屈の精神で人生を変えていくサラリーマンのバイブル的韓ドラ未生(ミセン)あらすじ。

幼い頃から囲碁が得意でプロの棋士になることを目指していたチャン・グレ。
最終学歴は高卒のまま、プロの棋士になるために韓国棋院の研究生の入段大会で挫折、父を亡くして以後コンビニや銭湯などでアルバイトをしながら生活します。

幼い頃からの夢も消えつつある中で、一般のサラリーマンのような流れにも乗れず社会からはじき出された感覚になっていたところ、母親の知り合いのツテで総合商社ワン・インターナショナルに仮採用となります。

配属先は営業第3チーム。ここで営業3チームの課長オ・サンシク(イ・ソンミン)との出会いがグレを鍛え成長へと導いていくことになるのです。

インターンとして仮採用になったものの誰にも仕事のことを教えてもらえず戸惑いながらも本採用を決めるプレゼンの試験で見事に合格、契約社員として本採用後も同じ営業第3チームに配属となります。

ここからグレの囲碁で培った様々な能力が日の目を見始めます。様々な活躍をみせたグレでしたが、学歴など様々な審査で契約期間満了後の正社員登用はかなわないことに。

大卒でも正社員登用は難しいと言われる職場ゆえ仕方がなかったこと。しかもグレの正社員登用を推していた課長のオ・サンシクはプロジェクト失敗の引責もあって退職に。

その後、オ・サンシクは元上司と共同出資のベンチャー企業を設立し、そこへグレを呼び再び世界を股にかけたビジネスを始めるのです。

粘り強さと真面目さで自らの人生を切り拓いていく主人公のチャン・グレに勇気をもらえる。


幼い頃から囲碁の天才と言われ努力するもついにプロへの夢がついえてしまったチャン・グレ。

プロになることもサラリーマンとして人並みに仲間と働く喜びも味わうことのできないでいる自分に、「一生懸命でなかっただけだ。僕は手を抜いたから捨てられたんだ・・・」と自分自身を見つめるのです。決して誰のせいにもせずに、自分に対する厳しさがうかがえるセリフです。

母の知り合いのツテで商社に仮採用になった後、「仲間と働く」という喜びに目覚めたグレ。一人の厳しい世界で勝負しなければならなかった棋士の世界と異なった価値観に敏感に反応しているところに人への優しさや思いやりも感じます。

さらに、細かい業界用語を全て暗記してしまう能力やちょっと先を読むという囲碁の世界で培ってきた洞察力を決してひけらかさずに仲間との仕事の中でさりげなく発揮するところがとても謙虚な性格を感じさせます。

U-NEXT第2話、営業マンの自分としての武器は囲碁。ピンチをグレらしく乗り越える姿に感動しました。

最もお気に入りのエピソードは、動画配信サービスサイトU-NEXTの第2話で、渋滞に巻き込まれクライアントとの約束の時間にどうしても間に合いそうにないオ課長のシーン。

時間稼ぎに場をつなぐように言われたドンシク代理(キム・デヨン)でしたが、他の案件で都合の悪かったドンシク代理はまだ半人前のグレに「お前が行って場を繋げ」とお土産の高麗ニンジンを持たされて行く羽目になってしまいます。


クライアントは外国人。業務のスキルはおろか、外国語もまともに出来なかったグレ。ああ、絶体絶命と思いきや、グレが取った行動がスゴイのです。

グレにとっては秘密兵器ともいえる囲碁の腕前。たまたまクライアントが囲碁に興味があったおかげでクライアントいわく「彼のお陰で楽しめた」のお言葉が。

ひたむきに努力をするグレに、積み重ねることの大切さを学びました。

グレの魅力は、とにかく努力を惜しまない事です。
父が亡くなって、もうプロになる韓国棋院の入段審査に応募する年齢も過ぎてしまっても生活のためにバイトを続けながらコツコツと囲碁の勉強を続けていたグレ。
誰にみてもらわなくても、認められなくても人知れず努力する姿には本当に頭が下がります。
きっと、天才とは誰に強制されなくてもこうして自然と一つのっことに打ち込む人を言うのだろうな、と納得します。
損得勘定はそこにはないということなんですね。

勝負士として、先手のチャンスは与えない。プロ棋士としてのプライドを内に秘めた、グレの謙虚さと行動力には心を打たれました。

もう1つの魅力は、自分自身に非常に謙虚であるという点です。
第3話でグレは正社員になるプレゼンの試験のパートナーに同期のソンニュルと組むことになります。


彼は何かにつけてグレをバカにし、自分がグレと組む事よって自分が引き立ち、試験に有利と踏んだからでした。


そういうことをグレは知っていながら、「腹も立つし憎たらしいけど、僕には彼が必要なんです。プライドと意地では超えられない差があるんです。恥ずかしいけど生き延びなきゃ」とグレが言います。
自分が利用されていることを知っていても、あえてそこに飛び込んで勝負をかけようとしています。

謙虚に自分を冷静に見つめつつ、元来の棋士としての本能でしょうか、勝負師として先手のチャンスは与えないとも言い切っています。
謙虚な中にこそ、光る何かを感じてしまいます。

インターンを通して共に成長していく同期たち。未生(ミセン)は、勝負の世界を生きてきたグレの、初めての仲間との絆が描かれています。

グレには、本当は寂しがり屋で誰よりも仲間を欲していた、という素直さがあります。
勝負師=孤独な戦いと言イメージの強い世界に生きてきたグレにとって、会社のような社会経験もないことから仲間と何かを成し遂げる、という経験がありませんでした。

インターンで入社したての頃も何のスキルもなかったグレはコピーすらまともに扱えない始末。

何もわからぬまま、孤独と不安の中で悶々としていた時に、誤解でグレを叱ってしまったオ課長が気を取り直すためにグレを飲みに連れていった時にオ課長の何気なく発した言葉にグレが感銘を受けるシーンがあります。
「お前の部下のせいでうちのやつが誤解されて怒られた」と同僚に息巻くオ課長。
自分のことを「うちのやつ」といってかばってくれた。
「うちの」というオ課長のコミュニティに入れた喜びや温かみであふれんばかりの感動を帰宅後にかみしめるグレ。


寂しかったんだろうな、本当は…。

この一言をきっかけに不器用なまでにまっすぐに一本気なオ課長を誰よりも尊敬し、仕事は共同作業ということへ心を開いていこうとする成長が始まります。
グレの元来の素直さや優しさがこういった些細な言葉に敏感に反応したのでしょう。

タイトルの「未生(ミセン)」にあるように、人は死ぬまで完全になることを目指し歩き続けねばならないことを、考えさせられました。

人は一人では生きていけない、どういう形で合っても必ず人と関わらざるを得ないのなら、仲間の中で自分か果たせる役割を精いっぱい生かしていくことが生きることの意味だと改めて感じました。
つまりは、どんな人でも生まれたからには何かしらの意味を持っていると感じるのです。
生きていく過程には、格差の原因となる貧困や学歴、容姿、健康などの問題は避けて通れません。
例え、その人のせいでなくても持って生まれた運命のようなものもあるのかもしれません。
しかし、生を受けたからには、人のせいにせず、甘えず、自分が生きていることに何かしらの意味を見つけていく強さを持つことさえ出来れば自死を選ぶ人も減ることでしょう。
タイトルの「未生」にあるように、人は死ぬまで完全になることを目指し続けて歩き続けなければならないのだと改めて考えさせられました。

自分の軸を持って生きる。いま、人生に疲れている人に、「未生(ミセン)」を観て、肩の力を抜いて思いっきり泣いて欲しいと思います。

今の世の中、雇用も不安定な状態で経済的にも行き詰まって余裕のない状況の方もいらっしゃることでしょう。
これは決して他人ごとではなく、誰しも起こりうる不安です。
ただ、だからといって終わるわけではありません。
生きていく上でお金も健康も大切ですが、このドラマから考えることは自分軸を持つことに尽きると思います。
人と比べるのではなく、自分でこれが幸せ、と感じるのならそれに向けて努力し続ければよいということです。
他人と比べず、自分軸のしっかりしている人は何だかいつも幸せそうに見えるんです、不思議なことに。
今、色々なことに行き詰まっている方に、肩の力を抜いて思いっきり涙を流してみてもらいたいドラマです。


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