
英語は分かるけど話せないと悩む人は参考書を捨ててみよう
こんにちは!アメリカ・シンガポール生活15年、英会話では辛い思いを山ほどしてきた【海外サラリーマン むさし】です。
今回の記事は、過去の私自身に向けた内容であり、また私が意欲的に取り組んでいる「英語は分かる(テストで点数は取れる)けど話せない」という人に向けた内容となります。
「TOEIC で高得点が取れても英語が話せるわけではない」ということはよく言われていることですよね。
実は私も、その一例(というか典型?)でした。
「読み書きは得意なのに…」という思いとアメリカでの容赦ない英会話環境で、多大なストレスを感じる毎日で、非常に辛かったのを今でも思い出します。
この記事を読んでいるあなたも、どのようにすれば話せるようになるか分からずに悩んでいることだと思います。
でも、私自身TOEICで高得点を取っても話せず、英会話恐怖症になるほど苦労したにもかかわらず、実はTOEIC は英会話に全く無関係だとは考えていません。
考えてはいないのですが、TOEICの勉強から英会話へ移っていくにはある程度の努力と練習が必要なことは事実です。
今回の記事では、『英語は分かるけど話せない!』という状態から、『英語が話せる!』という状態に移っていく方法を考えていきたいと思います。
TOEIC で測られる『英語力』って?
△『TOEICで測られるのは英会話の基礎力』という見方
TOEICで実際の英語力は測れるのか、という議論があります。
英語力・・・なんだか正体のはっきりしない言葉ですね。
読む力なのか書く力なのか、話す力か聞いて答える力か。
でも、個人的には、そのような定義を考えるのは時間の無駄のように感じます。
求められる「英語力」なんて、その場面ごとで変わりますから。
では、英語を話す力、つまり『英会話力』として考えた場合はどうでしょうか。
実はこの点に関して、私の経験からは『TOEICでは英会話の基礎力が測られる』ということが言えると思います。
つまり「TOEIC高得点の人は話せないけど、基礎はできているから英会話に向けた練習をすると早い」ということですね。
これだけでは「なんで?」と思うかと思いますので、その理由を説明していきたいと思います。
△TOEICで高得点を取るのに必要な「ある条件」
最近は受けていませんが、私もTOEIC試験は何度も受けていますので、TOEIC で高得点を取るのに必要な条件は自分でも実感しています(ちなみに私の最高得点は950点です)。
その条件とは、
単語や熟語、文法といった基礎事項がしっかり定着し、あまり考えなくてもパッと出てくるというレベルにあること
です(中にはテクニックに頼っている人もいるようですが)。
特に、Part 5は「見た瞬間に答えが分かって、自分に説明できる」というレベルでないと、900点は難しいかと思います。
さらに言えば
英語を「英語の語順」で「英語のまま」読んで理解する
という力も必要ですね。
TOEICのリーディングは時間との戦いですから、いちいち「え~と、これが主語で、動詞と目的語が…」なんて考えている余裕はありません。
サラッと読んでサラッと理解する、そういう力がTOEICで高得点を取るには必要となります(繰り返しになりますが、テクニックではなく実力で得点する場合)。
そして、このような力は、あなたが英語を話す・聞くといった場合に大きな助けになります。
「基本事項は感覚レベルに染み込んでいる」「英語が英語のまま分かる」という状態であれば、道具は揃ったも同然。
後は、「知識」を「音」につなげていく「会話専用トレーニング」をすることで、「話せない壁」を打ち破ることができます。
このように、『TOEIC 高得点=英語が話せる』ではないものの、TOEIC 高得点であることは英会話に必要な基礎は身についている、という状態。
その意味で、TOEIC は『英会話の基礎力』を測ることができる試験、と言えるわけですね。
△あなたがTOEICなどの勉強をする目的は?
TOEIC はテストであり、点数が出ます。
その点数の持つ意味は、人それぞれでしょう。
730点が取れてうれしいのか、730点で悔しいのか。
730点は単なる数字なのか、それとも昇進や海外勤務を意味するのか。
それは、受ける人によって違うはずです。
私が日本で働いていた会社では、駐在員の選抜にあたり TOEIC の点数が大きな基準となっていました。
そのため、毎回 TOEIC を受けては点数に一喜一憂していました(TOEIC の試験自体は苦痛ではなく、むしろ楽しめてはいましたが)。
TOEIC の点数が自分の人生に大きく関わってくる場合、短期的にはテクニックを含むあらゆる手段(※不正はご自分の判断でどうぞ)を使って点数を上げる、ということは必要かもしれません。
△TOEICを目的としないで『英語を使う力』を伸ばす
しかし長期的に見た場合には、TOEIC のための勉強よりも『英語を使う力』を伸ばすことに力を注ぐ方が、あなたの悩みを解決できるはずです。
そしてそのようなアプローチを取った場合には、TOEIC の点数は必ずついてきます。
点数は単なる結果であって目的ではない、と割り切れるのであれば、そのような長期的な視点に移っていくことがおすすめです。
TOEIC から英会話への移行のカギを握るもの
△英語の『勉強』から英会話の『練習』へのシフト
では、あなたが英語が話せるようになるために必要なこと、とは何でしょうか。
それは、英語の『勉強』から英会話の『練習』への移行です。
つまり、知識を得ることではなく、得た知識を使うことへ軸足を移していくわけですね。
勉強は必要ですが、勉強だけをしていても英語が話せるようになるわけではないんです。
英会話はスポーツや楽器演奏と同じ実技科目。
実技科目というものは体を使って身につけるもの、つまり、練習が必要なわけですね。
具体的な練習の仕方については、後ほど詳しく説明していきます。
△参考書は『勉強が自分を救うはず』という執着の元
TOEIC で高得点を持っているあなたは、TOEIC に限らず英語に関する参考書を持っていると思います。
5冊?10冊?え、100冊も持っているんですか?それはすごい量ですね・・・。
では、それを全部、捨ててしまいましょう。
実は『勉強』から『練習』への移行にあたって、『自分には勉強が必要』とか『勉強していないと不安』という考えは、あなたの足を引っ張ります。
つまり『勉強が自分を救うはず』という執着ですね。
そのような執着を捨て、『勉強よりも練習』に移っていくために、捨てるまではいかないまでも、参考書は一時封印しておくほうがいいでしょう。
TOEIC で高得点を取ったのなら、勉強はもう卒業してもいい頃合いです。
どうせ勉強するなら、実戦用の英語を仕込みましょう。
△具体的な英会話の『練習』の内容
いよいよ、具体的な英会話の練習の内容に入っていきますが、まず最初に言えることは『英会話の練習は受け身ではダメ』ということ。
どういうことかと言うと、読んでいるだけ、聞いているだけ、という状態ではなく、実際に自分の体(=口)を動かして英語を話すことが英会話の練習である、ということなんですね。
また、英語を聞き取る能力(リスニング)も、英語を聞くだけでは鍛えられません。
こちらは別の記事で説明する予定ですが、実は話す力(スピーキング)を伸ばすことによって、リスニングも伸ばすことができるんですね。
まずは『英会話の練習は受け身ではダメ』ということを、心に留めておきましょう。
参考書なしで英会話力を向上させる方法
△英語の参考書を捨てたあと、どうすればいい?
もう参考書は捨てましたか?あるいは、封印しましたか?
まだですか・・・それは困りましたね。
まだであれば、捨てたり封印したりしてから戻ってきて続きを読んでください。
さて、参考書なしでどのようにして英会話力を向上させるのか。
それがあなたの疑問でしょう。
そして、不安を感じているかもしれませんね。
その答えは、『実際に英文を口に出す』ということと、『実際の生の英語に触れる』ということです。
△まずは『英会話のための体づくり』
まず、先ほど書いたように、実際に自分の体(=口)を動かして英語を話すことが英会話の練習です。
おっと、いきなり英会話スクールに行こうとしてはだめですよ。
まだ準備ができていない状態で英会話スクールへ行っても、得るものは少なく返り討ちにあう可能性もあります。
今まで話す練習をしてこなかったのであれば、まずはスポーツと同じように『英会話のための体と脳づくり』が必要です。
この「英会話のための体と脳づくり」というのは、具体的には以下の練習を指します。
・音読
・基礎からの発音練習
この体づくりで、あなたは英語を話すために必要な筋肉と神経、そして英語の音を処理するための脳を身につけることができていくわけですね。
まずはこれが、英会話のスタート地点です。
△英語の参考書に代わる英会話の教科書は?
これからのあなたの教科書は参考書ではなく、実際の生の英語です。
具体的には、英語の小説やドラマなどですね。
参考書に載っている例文のように『一部だけ切り取られた』日本人向けの英文ではなく、話の流れがあり入り込めるものがいいですね。
そして何よりも
ネイティブスピーカーがネイティブスピーカー向けに書いたもの
に多く触れて、あなたの中に生の英語を蓄積させていきましょう。
その蓄積が、あなたの中で熟成してあなたの血肉となることで、あなたの英会話力に急上昇をもたらします。
ドラマを聞く場合、意味の分からないものを流し聞きしても効果は薄いです。
ですので、まずはスクリプトを確認した後で(あるいはしながら)聞く、ということが効果的です。
ただ、ドラマを見る、ということは受け身の練習につながりますから、まずは英語の小説の音読が絶対におすすめです。
発音も音読もスムーズにできるようになってから、聞く練習に移ったほうがいいでしょう。
△音読だけではなく自分から英語を話す練習も必要。でも、ちょっと待った!
英会話のための体づくりと並んで必要となる練習が、自分から英語を話す練習です。
体づくりは音読と発音練習が必要であり、これは『書いてあるものを読む練習』、サッカーで言えば『置いてあるボールを正しく蹴る練習』です。
ですが、それだけでは英会話になりませんよね。
色々な変化に対応していくためには、あらかじめ書いていないこと、つまり『自分の言いたいこと』を英語で言えるようになる必要があります。
おっと、ではさっそく英会話教室へ・・・というのは早計です。まだ早いです。
今のまま英会話教室へ行っても、話せずに終わって返り討ちにあう、ということが目に見えています。
その前に、自分1人での練習が必要なんですね。
そのためには、口頭英作文、特に次に書く方法がおすすめです。
△自分1人でできる効果的な英会話練習
その方法とは、普段の生活で、自分の見たもの、考えたことを、自分に英語で説明してみること。
言ってみれば『英語で独り言』であり、『英会話のシャドーボクシング』ですね。
これは、本当に効果抜群です。
※「英会話のシャドーボクシング」については、こちらの記事で掘り下げて説明しています。
最初は違和感があり、英語が出てくるまでに時間がかかるかもしれませんが、すぐに慣れます。
そして繰り返すうちに時間が短縮され、思ったことがパッと英語で口から出てくるようになっていきます。
そして何かが言えなかった場合、その悔しさが表現を調べてモノにする、という原動力にもなります。
このような練習を普段から積み重ねているのであれば、それを試しチェックするために英会話教室などに行くことも効果的でしょう。
繰り返しになりますが、英会話学校は日頃の練習の成果を試しに行く場所ですので、日頃の練習なしに挑んでも、全く話せずに終わるといった悲惨な結果になってしまいます。
まとめ
記事中にも書きましたが、TOEICで良い点数が取れたのであれば、英語の勉強はひとまず卒業です。
すでに英会話の基礎はできているはずですから、英会話の『練習』にシフトしていくことで、遠からず英会話をモノにできるはずです。
この記事では、英会話学校へ行かなくてもできる効果的な英会話の練習方法を色々と紹介しましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。
あなたが英会話をモノにし、あなたの望む未来を手に入れることを、私は応援しています。
むさし
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