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ぼくたちは表現の自由がきらいだ。オタク・キャンセル・カルチャーが表現を実質的な壊滅に追い込むとき。

怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。

ニーチェ『善悪の彼岸』

 ゲーム『アサシンクリードシャドウズ』への販売中止を求める署名が86000票以上を集め、話題となっている。このままだと10万票以上を集めるのは確実だろう。

 あきらかに「表現の自由」に反する運動であり、ぼくは非常に皮肉な目で見ているが、とくに批判したり反対したりする意思はない。

 ぜひ、このままどんどん続けて「表現の自由」を実質的な壊滅状態に追い込んでほしい。やれ、やれ、もっとやれ。

 ひっきょう、しょせん「表現の自由」を守ると標榜していた人たちも、口先でいうほど自由に殉ずる覚悟はなかったのだ。

 自由も権利もみずから捨て去りたくてたまらないという人たちに、むりやりそれらを押しつけようというほどの意思はぼくにはない。

 だから、ぼくはいうだろう。「もっと続けてください。ぼくたちの大嫌いな表現の自由を破綻に追い込み、いままで表現の自由を侵害しようとしてきたフェミニストやポリコレ主義者たちを喜ばせてあげましょう!」と。

 「敵に塩を送る」とはこのことで、じつに立派な態度というしかない。えらいえらい。

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