歴史学、歴史教育で困ること

歴史学者、研究者はなるべく現地の発音を表記すべきだと言っています。国際政治学者も同じことを言っています。
2022年にはロシア語のキエフが、ウクライナ語のクィィブになったりしました。キーウと表記する機関や人もいますね。けど、カタカナで書いている時点で、もう違うので、現地語の表記、アルファベットで書いた方がよくて、クリックすると発音を聞けるようにしておくのが一番いいと思います。
けど、アラビア文字、タイ文字になると、人名なのか地名なのかの勘も働かないので、あんまりいいアイディアではないのかもしれません。
英国もジユナイテッドキングダムオブグレートブリテンアンドノーザンアイルランドと書かないといけません。ジ、ディなのかという問題もあります。キーウと表記している機関が、英国やイギリスと書いていたら、言っていることと、していることが違ってしまいます。せめてUKと書く必要があります。

中国の歴史も困ります。漢字で書いて、中国語の発音をします。しかも、当時の発音なんてわからないと思うし、地方によっても発音が違います。例えば蒋介石はチアンカイセック、チャンセシー、どっちが正しい発音なのか、難しい問題です。
「チョングォウェンミンの中のチャンジャンウェンミンには、初期の農耕遺跡としてフムトゥイジィがあります。」
聞いているだけだと何を言っているのかわかりません。
「チョングォウェンミン(中国文明)の中のチャンジャンウェンミン(長江文明)には、初期の農耕遺跡としてフムトゥイジィ(河姆渡遺跡)があります。」と言っていました。
「中国文明」は北京語で、「長江文明」は広東語で言わないといけない気もします。

役職、機関もそうですね。プレジデントを大統領と訳すのが適切かと言うと、難しいと思います。直訳すれば閣僚評議会議長なのに、首相と訳すことがあるので、これは直訳の方がいいと思います。

自称のない人たちも困ります。アイヌ、ニュージーランドの先住民などは、何と呼べばいいのかわかりません。

さらに困るのが、「その時代にはなかった概念なので歴史用語として適さない」と主張する研究者、学者の意見です。
当時は河姆渡という地名もなかったはずなので、地名を書くことはできません。ユーラシア大陸、中国とさえ書いてはいけません。地図で「ここらへんにあった遺跡」と示すしかありません。
例えば、江戸時代の藩というのは、幕末、明治初期に生まれた概念で、江戸時代にはそう呼んでいませんでした。第一次世界大戦も、まだ第二次世界大戦がないので、大戦と呼んでいました。これくらいならいいんですけど、
猿人、原人、石器も、その時代にはなかった概念なので、呼べないことになります。近代もその時代の概念としてはありません。近代はあくまで現代から見た表現なので、その時代の人は現代と思っていました。
大航海時代も産業革命も宗教改革もそうですね。歴史の用語、概念は当時はなかったものばかりなので、概念を使って書くことが難しくなります。
日本のところで天皇については書きましたね。〇〇天皇という表現は、退位したり亡くなった後の呼称なので、すべての天皇を「今上」と書く必要があります。「のちに昭和天皇と言われるようになった人」とか、「裕仁」と書かないと誰だかわかりません。憶えるのが大変です。
もちろん、和暦だけで表記することになるので、西暦何年かもわかりません。ヒジュラ暦なんて、換算するのが面倒です。「2028年から考えて何年前」で統一するのがまだ簡単なのかなとも思います。
漢字も当時の漢字を使用します。皆伝では東条ではなくて、当時の「東條英機」と書いています。こういうのも全員を書くのは大変ですね。

歴史学者、研究者は本当にこんなことを望んでいるんでしょうか。
もしそうなら、こういう問題点があるので、解決策も提示してくださいね。

サポートして下さると長く続けられると思います。これからも学んでいく費用に使うので、サポートを御願いしますね。