こだわり

他の記事でも問題集や参考書、学習法にこだわらないで、プロ(予備校、塾)に委ねたほうがいいと書きました。

こだわるところと、こだわらない方がいいことを分けましょう
と言いたいんです。

「世界史がわからない」ということはよく聞きます。
「現代文の問題文がわからない」
「なぜ英語ではこう言うのか?」
世界史や英語を理解したいという人なので、学力/学ぶ力が高い人だと思います。
それは大切にしてほしいと思っています。
大学でも、起業でも、企業でも、役所でも、サークルでも、人付き合いでも、人生でも本当に必要な能力だし、姿勢だと思います。
国境に縛られずに生きている、活躍している人は、共通してこういう考えを持っています。なぜ黒人を差別するのかわからない、なぜ移民がいるのかわからない。わかったふりをして、人の説明を鵜呑みにして聞きかじっただけの話を自説だと思い込む人は、社会を変えられない。社会の誰かに動かされている人かもしれません。わからないことはわからないと言って、考えて、判断して、行動できる人は地球で必要とされています。

教科書って紙に書いてあるので、理解に必要なことをすべて書こうとすると、1000ページになったりして、重いし、値段も高いし、学校がその教科書を選んでくれません。だから、安くて薄いものにするために、説明を削っています。だから、教科書を読んで理解できないのは当然だと思います。理解できたと思っている人はたぶん思っているだけです。突っ込んだ質問をすれば答えられないと思います。なぜ農耕をはじめたんですか?ということは教科書には詳しく書いていません。氷河期が終わったからだと思っている人もいます。違います。詳しくは皆伝02を読んでください。
教科書を理解できない人は、理解しようとして深く読んでいる人だと思います。誠実な人です。

けど、
ハイレベルの大学は別にして、たいていの大学の入試問題では
理解していなくても解答できてしまいます。
「BC334年にギリシアから東方遠征を開始したのは誰か」
ギリシアの範囲、マケドニアも入るのか、東方遠征とはなにか、
こういうことを理解していなくても正解を出せます。
受験勉強とはそういうものです。

世界史を理解したい人は皆伝を読んでくれればいいと思いますし、
理解したほうが力はつきます。
特にハイレベルの大学には効果を発揮します。
ハイレベルの大学は入試問題に癖があったり、専用の対策をしないとなかなか得点できなかったりします。単純なデータの再現力を学力と勘違いしていない大学だということです。そして、入学してほしい人に対して、誠実なんだと思います。作問力が高いということは、教育力も高いし、その入試を突破した同級生も先輩も後輩も、深く物事を考えたり、突飛な発想をする人だということです。そういう人と一緒に学びたい、何かをしたいという人には、ハイレベルの大学が向いていると思います。

けど、理解できなくてもいい、得点だけできればいい人は
憶えることを重視して、
憶えたと思った範囲をすぐに繰り返し問題集で確認することで、
得点力は上がっていきます。たいていの場合は。

そんなわりきりができないという人もいるかもしれません。
学問はたしかに深く学んで理解することなので、そういう人は学者としてふさわしい態度を身に着けています。だから大学に入って、深く学んでほしい。そして、理解してほしい。そのためには合格してほしい。
こだわりと、合格。
とりあえずの自分にとって利益になるのはどちらかを考えてほしいんです。
自分の人生にマイナスに大きく影響しない、他人にも悪影響にならないときにはこだわればいいと思います。

算数に展開図ってありますね。
立方体を切って開いたものです。
「次の展開図のうち、立方体になるものを選びなさい」
算数で計算して解きましたか?
たいていの人はそうではないと思います。
算数の授業では、本来は計算すべきです。
けど、合理的な方法、学問的でない方法で解いていたと思います。
九九も暗記してしまいましたね?
本来は一つ一つ計算すべきだと思います。
「CO2ではなく、1CO2と書くべき。1を省略しているのは受け入れられない、だからこの問題には解答しない」と言ってきた人は稀だと思います。そういうことにこだわって、中間試験、期末試験、中学受験、高校受験と落としてきた人は稀だと思います。
たいていの人はそうやって、すでにこだわらずに解答することを優先する人生を送ってきたはずです。
だから、いまさらこだわらなくていいのではないかと思ってしまうんです。

受験勉強をわりきってしながら、きちんと学ぶという方法もあります。とにかく、こだわり、学びも大切にして、それとは別に、単なる再現力をつける受験勉強もしてほしいんです。




サポートして下さると長く続けられると思います。これからも学んでいく費用に使うので、サポートを御願いしますね。