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深夜のパトロール

美容師のサトシさんから、聞いたお話です。

美容師の専門学校に通っていたサトシさんは
友人達と、深夜にドライブを良くしていた。
友達の1人が、「心霊スポット行かない?」と言い出した。
よくある話で、そのまま深夜2時頃
心霊スポットの山に行くことなった。

昼間に何回も行っている場所なので、真っ暗でも道は覚えていた。
目的の場所に近づくと、暗い山道の中に、1台のパトカーがいた。

サトシさんは、内心ドキッとした。
未成年だけで深夜に遊んでいる、しかも山の中で。
この事実だけで、警察官に注意されそうだなー面倒くさいなと思った。

とりあえず、停車して様子を見ていると、パトカーから警察官2名が降りてきた。
しかし、彼らは警棒や無線、笛を持っておらず、警察官の服だけを着ている状態だった。
パトカーも角ばっており、まるで昔の車のような形をしてた。

警察官が「こんな時間にどこに行くの?」と尋ねたため

友人達は、夜遊を誤魔化すために
「道に迷ってしまったんです」と答えた。

警察官は「そう、早く帰るんだよ」そう言って
パトカーに戻り、ゆっくりと走り出した。

緊張感が解けて、友人たちは口々に違和感を抱いていた事を話し始めた。
「あの警察官、変じゃなかった?コスプレ?」
「普通、車内を見て確認しない?」
「それに、パトカーの形が変じゃなかった?」
皆んな違和感を感じていた様だった。

友達のうち1人が、「あっちの方に道なんてあった?」と言った。
サトシさん達は何度もここに来ているから、大体どの方向に道があるかを覚えている。
道があることを確かめるため、パトカーの後を追いかけた。
見つからないように徐行しながら追いかけると、例のパトカーがいた。
やはり、行き先に道なんてない。行き止まりなのだ。

行き止まりの道の先には、林が広がっている。
パトカーは吸い込まれるように、林の中へスッと消えていった。

美容師のサトシさんは
「今でも、あれは何だったのか分からない」
そう話していた。



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