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本日のコミュニケーションエラー「人権」

Kくん「院進する」
ぼく「ほう」
Kくん「就職きついんだよね、学部生には見向きもしてくれない」
ぼく「ふんふん。学部生には人権もないって感じか」
Kくん「う……うん(やや引き気味)」

(注:特定の職種に就きたい、という文脈です)

すれ違いの原因は、Twitterの見過ぎだ。
僕はツイッター文脈に適合しすぎている。そのこと自体には自覚的だけれど、今回の「人権」の用法は、複数の界隈で似た使われ方をしているから、人口に膾炙した言い回しだと勘違いしてしまっていた。

ソシャゲ界隈

「最低限持っていないと攻略が困難に/めんどくさくなるキャラクター」のことを「人権キャラ」と呼ぶことがある。FGOなら「人権鯖」だ。

より詳細な解説はこちら
当然、人権キャラが十分に揃っていない状態を指して「人権がない」という言い回しも普通にみられる。

エンジニア界隈

「開発に必要なソフト等がサクサク動作する環境」のことを指して「人権」と言うことがある。

特にメモリについて言われがちで、人権ラインについては8GBだの16GBだの諸説あるが、「メモリnGBは人権」というのはかなり定着した言い回しだろう。

今回の敗因

(比較的近いが)隣接していない2つの界隈で定着した言い回しがあることから、「人権」という単語は比較的雑に扱ってよいと思い込んでいた。冷静に後から振り返ってみれば、「人権がない」という表現をこれほどフランクに扱うのはこの2つの界隈くらいだ(念のため:悪いと言っているわけではなく、文化の違いの話をしている)。

逆に言うと、同年代でTwitterにもちょくちょく触れているような人であっても、この2つの界隈に馴染みがなければ、「人権」という単語を使うのはそれこそ中学・高校の頃の社会の授業で「基本的人権」について学んだ時以来かもしれない。
堅苦しく、簡単に踏み入ったり気安く言及したりしてはいけないような概念であるような、なんとなくそういう重めの空気を纏った単語である、かもしれない。
文脈を共有している人であれば使いやすい言い回しなんだけど、そうでなさそうな相手の場合は、横着せず別の言い回しをしないといけないな、と思った。

どうすればよい?

「ふんふん。学部生には人権もないって感じか」
         ↓
「ふんふん。学部生はスタートラインにも立たせてもらえないって感じか」

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