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【自己紹介】かいちのこれまでとこれからの話


漫画家です。現在は個人で電子書籍を出版したり、漫画のお仕事の依頼を受けたりしています。

僕のこれまでの経歴を、簡単に4つの章に分けてお話していこうと思います。

1.出版社に6年漫画を持ち込んで実績ゼロだった話
2.仮想通貨に手を出して300万円損した話
3.貯金ゼロでアルバイトを辞めた話
4.やりたいことに振り切ったらスポンサーさんが現れた話

ご興味あれば、読んでみてください。



1.出版社に6年漫画を持ち込んで実績ゼロだった話

ディケイド アイキャッチ

漫画家を本格的に目指したのは20歳のときです。

中学生の頃からなんとなく「漫画家になりたい」と思っていました。「どうせ働くなら、好きなことで生きていきたい」そんな想いからでした。しかし、「夢なんて叶わない」という周りの人の価値観や、「どうせ自分には無理だ」という自分の弱気な気持ちが邪魔をし、なかなか夢への一歩を踏み出せませんでした。

進学のため田舎から東京に出て、学校やアルバイト先で夢を持つ人々に出会いました。地元では「夢を叶える」といった人種が周りにいなかったので、それはもう刺激をもらいました。

それまでは「夢は見るもんじゃない」という価値観だったのが、「夢は目指してもいい」という価値観に変わります。

夢を目指している人、僕を応援してくれる人、東京で出会ったいろんな人たちに背中を押され、20歳のときにようやく漫画家を本気で目指す決心がつきました。「好きなことで生きていきたい」とか、「普通に働きたくない」とか、想いはいろいろありましたが、決心したときにいちばん強かったのは「目指しもしないで、あとあと後悔したくない」という想いでした。

雑誌連載を目指して、アルバイトをしながら出版社に漫画を持ち込む生活が始まりました。初めて漫画を持ち込んだとき、編集の方から名刺をいただきました。そのときは漫画関係の知人から、「編集から名刺をもらえることはなかなかない」と聞いていたので、「これはオレ、才能あるぞ」と浮かれていました。


しかし蓋を開けてみれば、6年間持ち込みを繰り返して得られた実績はゼロでした。


気づけば26歳になっており、職業は変わらずフリーター。同級生は仕事でそれなりの地位になっていたり、付き合いのあった夢追い人は次々と夢を諦めたりと、周りの人との付き合いも大きく変わっていきました。僕も「25歳までには連載を取っているだろう」と思っていたので、26歳フリーターという現実を目の当たりにし、人生絶望を味わいます。


漫画家の夢を諦めるか真剣に悩みました。


真剣に悩んだ結果、諦めないことを選択します。


しかしこのまま活動を継続するにしても、同じこと(出版社への持ち込み)を繰り返したって現状は変わらないと判断しました。「何かを変えないと未来も拓けない」そうは思っても何を変えていいかわからない。そんなときに一冊の本に出会います。

キングコング西野亮廣さんの「魔法のコンパス」。この本が僕の人生を変えました。

書かれていたのは、西野亮廣さんの考え方や、今までの功績でした。どのエピソードも僕の常識から外れた行動ばかりでした。その常識外れで成功を掴んでいく様子は、僕の心を踊らせました。「こんな面白い世界があるのか」

「魔法のコンパス」を読んで以来、僕の脳みそは変わりました。

それまでは周りの常識に流されて生きてきたのが、常識に疑問を持つようになり、新しいことを知ることがとても楽しくなりました。YouTubeを観たり、本を読んだりして、1年くらいかけてあらゆる情報をインプットしていきました。

そうして過ごす中、漫画活動のことを改めて考えたとき、インターネットに可能性を見出しました。

それまでの僕は、インターネットは調べものをしたり、ゲームしたりするもので、TwitterのようなSNSは、愚痴を吐く場所くらいにしか認識していませんでした。しかし、いろいろ情報を得ていく中で、誰もが手軽に全世界へ向けて発信できることの素晴らしさを知りました。

「インターネットをうまく使えば、出版社から連載できない自分でも、多くの人に漫画を届けられるかもしれない」そう思ってブログやSNSで漫画を発信するようになりました。


出版社からの雑誌連載を目指す道をやめ、個人で漫画活動をしていく道を選んだのです。


このときの僕の価値観を全て込めて描いた漫画がこちらです▼



2.仮想通貨に手を出して300万円損した話

仮想通貨体験記アイキャッチ


丁度、ブログやSNSで漫画を発信するようになったタイミングで、当時話題だった仮想通貨に手を出します。

結論からいうと300万円損しました(笑)

なぜ手を出したかというと単純で、「絶対儲かる」と思ったからですね。アホですね。

当時僕は、家の資産を管理していました。24歳で家族を全て亡くし、僕の元には一家の全財産があったんですね。そのまとまったお金を2年間銀行に預けていました。当時の僕は「銀行=お金を預けるところ」という認識だったので、預けたお金が増える、減るなんて考えもしなかったんですね。

ところが、発信を始める前にインプットした情報で、「銀行に預けていてもお金は減る」ということを知ります。日本国内の物価は上がり続けているのに、海外からみた円の価値は下がり続けている。相対的に見ると円の価値は減り続けているという事実ですね。

「だったら投資した方がいいじゃん」と思い、当時話題だった仮想通貨に目をつけました。

さすがに、何も調べずただ「儲かるから」という理由だけでお金を突っ込んだりはしていません。そこまでアホじゃありませんよ(笑)。

仮想通貨についてはそれなりに勉強しました。本を3冊くらい読みました。仮想通貨がどれだけ革新的な技術なのか、とか、世の中にどういう形で役立っていくのか、とか、一通り勉強した上でその技術を信頼し、「これは絶対に価値上がるやつ」と思ってお金を突っ込みました。

ただ、投資の勉強を一切しなかったんですね。やっぱりアホですね(笑)。

それまで投資(投機)なんてやったことなかった僕は、欲にのまれていきました。お金の値動きに一喜一憂し、稚拙な売り買いを繰り返します。投資は値が下がったら買って値が下がったら売るのがセオリーです。しかし当時の僕は値が上がると、「もっと上がる」と思って買って、値が下がると、「もっと下がってしまう」と思って売っていました。

そんな稚拙な僕でも、何度か儲けも経験しました(それくらい当時の相場は上り調子でした)。初めは小額で回していたお金も、「もっと入れればもっと稼げる」なんて思って、次第に扱う額が大きくなっていきました。なまじ資本があっただけに、とある日の大暴落で大金がどんどん減っていくのを目にしました。精神的にまいった僕は、「このまま価値が0になったらどうしよう」と思ってしまい、売ってしまいました。


売ったら売ったで、300万円損した現実に気づき、2度目の人生絶望を経験します(笑)。


このままで終わりたくないと思った僕は、この気持ちをなんとか作品に昇華して、少しでもお金を取り返してやろうと思いました。300万円損した体験を漫画に落とし込んで、ブログ、SNSで発信したんです。すると、その漫画が思いのほか好評で、仮想通貨界隈でも話題になりました。ブログは「仮想通貨 漫画」のワードで検索1位を獲得。Twitterのフォロワーさんも少しずつ増えていきました。


幸か不幸か、仮想通貨で300万円損した体験が、無名の漫画家志望だった僕の知名度を上げてくれたのです。


そのとき描いた漫画がこちらです▼

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3.貯金ゼロでアルバイトを辞めた話

「仮想通貨体験記」でTwitterが伸びたことがきっかけで、漫画のお仕事もチラホラいただけるようになりました。ボクは以前にも増して強く思うようになります。「好きなことだけで生きたい」と。

生活するのに十分なお金がいただけていたわけではないのですが、月の漫画収入は徐々に増えていました。このままのペースで増え続ければバイト辞めても生活できるだろうと思って、思い切って貯金ゼロでアルバイトを辞めました。

開業し、「漫画一本で食っていくんだ」と奮起します。

すると、辞めた翌月から漫画のお仕事を全くいただけなくなったんですね。収入がない不安から、3度目の人生絶望に陥ります(笑)。


僕はそれまでの人生で、どこかで聞くような究極の貧乏みたいな経験は味わったことがありませんでした。お金に余裕があるわけでは決してなかったんですが、生活に困ることはなかったんですね。

それが今回初めて、「家賃が払えない」とか、「水道光熱費が払えない」とか、そんな状況になりました。

「お金がない」という不安は想像以上に大きいものでした。「生活力ない=社会的に終わる」そう思うだけで、精神が病むんですね。幾机に向かえず、ただただ空を眺めている日もありました。「明日が来るのが怖い」なんて本気で思っていましたね。


短期のアルバイトをしたり、支援者さんから支えてもらったりしながらなんとか食いつなぎます。その間に少しずつ漫画の仕事実績を増やしていきました。数ヶ月で、なんとかギリギリ漫画だけで生活することに成功します。


この期間、たくさんの気づきがありました。


今まで当たり前だったことが当たり前じゃなくなったことで、価値観が少しずつ変わっていきました。そんな変化した価値観を、少しずつ漫画にして投稿していきます。

すると投稿した漫画がまたTwitterで反響を呼びました。いくつかの漫画は数千リツイート、最大で1.2万ものリツイートをいただき、その漫画はYahoo!ニュースにも掲載していただきました。

多くの人に知っていただき、僕はさらに認知を広げていきました。


そのときに描いた漫画がこちらです▼


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4.やりたいことに振り切ったらスポンサーさんが現れた話

約1年ほど、漫画の仕事だけで生活することができていました。念願だった、好きなことを仕事にできたわけです。が、金銭的余裕はぜんぜんなく、毎月ギリギリの生活でした。お金がないから、目の前の安価な仕事に飛びつき、仕事をこなすので精一杯な日々を送ります。

ある日、いちばんお世話になっていたクライアントさんから契約打ち切りの連絡が入りました。当時はそのクライアントさんからの収入が全体の約80%を占めていたので、そこからの仕事がなくなるということは死活問題でした。でも、とりあえずいったん冷静になり、これまでの1年間を振り返ることにしたんです。

その結果、結構辛かったことに氣付きました。

漫画の仕事をとるために苦手な営業に必死になり、やっと仕事にありつけたと思ったら割りに合わない安価な案件。それが終わったらまた苦手な営業…。1日12時間フルに働いて、1ヶ月暮らせるのがやっとの報酬をいただきならが暮らしていました。


そんな生活は、ぼくの望んだ生活ではなかったんです。

だから、やりたくないことはもうやらないと決めました。
(辺りの心情はこちらの記事に綴っています▼)

一度、好きな漫画を思い切って描いてみることにしたんです。

仕事がなかったので収入面での不安はあったんですが、「まぁいっか」と思って、またやりたくない生活に戻るよりは、いま行動を起こして何かを変えてみようと思って。漫画事業を放り出して、ぼくは描きたい作品を描いてSNSに投稿しました。

そしたら、その作品を気に入ってくださった方から連絡があり、「製作費を出します」との提案をいただいたんです。

驚きました。やってみるものだなと。

本当にやりたいことをやったら、見てくれている人、手を差し伸べてくれる人はいるのだなと。

それ以来、スポンサーさんから製作費を募って漫画を制作するという方向にシフトしました。今は製作費を出してくれるスポンサーさんを募りながら、本当に描きたかった創作漫画を描いています。スポンサーさんを募るのは簡単なことではありませんが、このスタイルが確立したら、新しい時代の漫画家になれるかなと。

こっちもこっちでいろいろ悩むこともあるのですが、やりたい方向にはずいぶん近づいた氣がしているので、とにかく精一杯活動します。


最初のスポンサーさんがついてくれるきっかけになった漫画シリーズ▼

https://twitter.com/i/events/1287352474118975488

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これからの話

6年間出版社に通って実績ゼロだった漫画家志望。そんな僕は、インターネットをきっかけに少しずつ人生を変えてきました。

それまでの僕は、自分にひどく自信が持てない人間でした。というのも、僕は小さい頃から「できない側の人間」だったからです。勉強も運動も平均以下。特別な才能なんて何もない。勝負ごとは負けるのが当たり前。常に他人と比較して、「自分はダメなやつなんだ」なんて思いながら生きてきました。

こんな僕でも人生を変えられるんだから、きっと誰でもその氣になれば、人生を変えられると思ってます。


僕は、僕と同じような境遇の人にメッセージを届けていきます。


世の中には、過去の僕と同じように、自分に自信が持てない人がたくさんいると思います。その中には、僕のようにやりたいことがあって、でもうまく前に進めない、そんな人がたくさんいると思います。彼らは前に進めさえすれば輝ける存在です。僕は、そんな彼らの背中を押せるような作品を作っていこうと思います。


自分に自信が持てるようになれば、人生は変えられます。


才能があってなんでもできる、「できる側の人間」が伝えるのではなく、同じ「できない側の人間」である僕が伝えることに意味があると思ってます。


僕の最大の夢は総合エンタメを通して創作活動をすることです。漫画だけでは、作品を届けられる人に限界があるからです。昨今は特に、漫画はあまり読まれないメディアになりました。より多くの人に作品を届けるには、多角的に展開していくことが必要です。僕の漫画を原作として、漫画はもちろん、アニメや映画、舞台、音楽と、あらゆる方向から作品を発信します。


自分に自信が持てない人が前向きになる、そんなエンタメを作って、世界中に届けます。


夢を口するのは簡単ですが、叶えるのは大変です。

僕が実際に夢を叶えるためには、まだまだ至らないところがたくさんあります。僕が面白い作品をつくるには、まだまだ実力が足りません。面白さは、創作をつくる上では大前提です。面白くなければ、多くの人に楽しんでもらえません。面白い作品をコンスタントに作れるようになるために、これからもっとたくさん作品を作っていきます。


僕もまだまだ夢の途中です。でもきっと叶えられると思ってます。これまで小さな夢はいくつも叶えてきました。漫画でお金を稼ぐ。漫画だけで生活する。作品を出版する。今ままでがそうだったから、きっとこれからもそうです。

変なことばっかりしてますが、面白いヤツだなと思っていただけたら嬉しいです。僕の活動には皆さんからの応援が必要不可欠です。僕の作品を買ってくださる人、支援してくださる人がいなければ、創作活動は継続できません。

よかったら今後とも応援よろしくお願いいたします。


【漫画作品】

▼300万円損の実体験を元にした漫画「仮想通貨体験記」


▼全ての悩める夢追い人へ。かいち渾身の漫画「Decade(ディケイド)」


▼幸せになるための考え方・行動の仕方「かいちの幸せの見つけ方」


主な作品、各種SNSはこちらから▼



●かいち|漫画家
1991年、秋田県生まれ。20歳から漫画家を目指す。出版社に6年間漫画を持ち込むも実績ゼロ。26歳フリーターという現状に悩み、夢を諦めかけたが、ネットの可能性に掛けて再起。Twitterを中心にネットで漫画を公開。自身が仮想通貨で300万円失った体験を元に描いた漫画「仮想通貨体験記」が話題になり、Google検索「仮想通貨 漫画」のキーワードで検索1位を獲得。Twitterに投稿したエッセイ漫画「成功したいなら、成功している人の意見を真に受けろ」が1.2万リツイートを超え、Yahoo!ニュースに掲載。その他の作品に「Decade(ディケイド)」「かいちの幸せの見つけ方」などがある。


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