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やわらかな嘘で包まれた世界で~Club キャッテリア感想~

Clubキャッテリア大千秋楽おめでとうございました!というわけで感想のまとめをしたいと思います。2回現地で見ることができて、その時に感情の赴くまま書きなぐったメモをなんとか見やすいように整理整頓したものです。ほんとはもっといっぱい書きたいことがあるんですが、とりあえずこの形で出しておきます。たまに思い出したように追記するかもしれません。



〇キラキラした皆様が集まったホストクラブの話、ということで、ノラ上がりで荒々しく粗暴なクロがひょんなことからホストクラブで働くことになり一流のホスト(ホワイトナイト)を目指していく!というストーリーかと思いきや、いや、まあクロの目標はそこにあるんだけど、ストーリーの中核はそこではない(と私はとらえました)
嘘は悪なのか?がテーマかな、と。嘘をつけない呪いにかかった主人公のクロ。騙されて店もお金もなにもかも失ったお母さんを看取る時、嘘は一生つかないと約束してから嘘をつこうとすると発作が出る体質に。
思いの外ストーリーがしっかりしていた……ていうと失礼なのかな……でもほんといろいろ考えたし心を寄せることができたテーマだったと思います。ホストとお客さんの関係にも当てはまるし、この嘘とホント・嘘の中にあるホント・ホントの中にある嘘、みたいなのって今舞台に立ってる役者さんたちと私達(ファン)の関係にも当てはまるとこあるよなって思って見ていました。あくまでも役者さんたちの一部分を見ているだけで、どこまでホントかどこまで嘘かわかんないし。というか、こちらに見せてくれる全部が全部ホントだとは思ってないし。嘘もあるだろう、でもそれはこっちを大切にしようとしてくれているからこその姿なのだとなんとなく感じているし、それを嬉しいと思ってこちら側は受け取ることで幸せをもらっている。そしてその姿が大好きで応援してるって伝えることで向こうも幸せになってたらいいな 毎日元気に生きてくれてたらいいな っていう思いがある。

〇「嘘の裏側にはね、真実がある」
と言うシャム。シャムは基本的に名言製造機だった……
「頭の中にどんな感情や考えがあっても自由だけどさ!なんでもかんでも口に出さないでくれないかな!」
はほんと、SNSやってる身として常に心にとどめておきたいと思いましたね、実際けっこう深く刺さりましたし。思ってることをなんでもかんでも口に出すのがほんとにいいことなのか?という。素直や正直であることは良しとされているけど、でも、常にその姿勢でいいというわけでもないだろうという……。
「自分は嘘つかないってのはいいよ。でも相手の気持ち考えたことある?」
「クロは嘘はつかないけど、真実にも目を向けない」
「嘘で誰かが必死に隠した、なけなしの本当について考えたことある?!もっと世界を見て、目を凝らしてよ!見えない部分を覗きこもうとしない残酷な馬鹿は――――どっかに消えちまえ」
嘘をつかないことは果たして常に善であるのか?嘘をつくことは果たして常に悪なのか?を問い詰めるのがシャムの役目かもなあって思いました。残酷な真実を隠すために優しい噓をついたとしても、それを嘘をついた=悪って言いきれるのか?という。言葉を聞きながら、そして観劇後も、シャムの言葉の数々はすごく心に残っているし、これからもじっくり考えてろくろを回したい所存です。

〇ラグ様とラガ様が仲良しなのほんと尊かった~~~~~~!!!!!!ソファでふたりでお酒飲みながら語ってるのとかほんと……マスクの中で「天国か……?」てつぶやいてしまいましたね……あとさああとねえ、みんなはラグさん、ラガさん、て呼ぶのに、このふたりはお互いのことをドール、マフィン、て呼ぶでしょう!?おふたりだけの特別な呼び方があるのは本当にエモエモのエモなんよ~~~~~~最高だった……経営者であり戦友であり親友であり……みたいなふたりのトークシーン、すてきだった……。

〇ミケは嘘が上手……ていうこととブルーの発言、態度からしてもしかしてクロの敵って?と思ってはいたけどやっぱりそうか、て(ミケはいいとこのぼっちゃんで、クロの母の店を騙しとったのがミケのお父さんの系列会社) ミケとクロが雨の中対峙するとこ、嘘がうまいミケが本当の気持ちを吐露し、ホントのことしか言えないクロが頑張って嘘をつく……っていう構図がせつなかった……嘘がつけない体質のクロが、必死で嘘をつくところ、胸がぎゅってなっちゃったな……。

〇ここで突然作品の感想とはちっとも関係ないことを言うのですが(だってメモのこの位置に書いてあったから)ブルーは沼(まがお)ssmrくんにドS男のNo.1ホスト役とあのまっしろふわふわひらひらの衣装を与えたのはマジで天才の所業……あんな美しい顔といい声でドSはヘキにめちゃくちゃ刺さる……ていうか私こういうのがヘキだったんだな……て自分でも知らなかった自分を発見しました。こんにちは新しい私。ていうかssmrくんと出会って2年半くらいが経とうとしているのにいきなり人の新しい扉を突然バーンって開けるのマジ勘弁してほしい。嘘です勘弁してくれとか思っていませんいや思ってはいるけどありがとうございました(?)
「お前のことなど3日で忘れる 覚えてほしけりゃ毎晩通え」
ですよ????????????????
…………………………………………はぃ……………………(とろん)てなっちゃったじゃん?!?!あぶねえ!!!!!

〇tcbnくん(ラガマフィン)は豪快なようでいてふとした瞬間に大人の男の色気を溢れさせてくるのでやばいなあって思いました……どっちかっていうとけっこう元気いっぱい活発系の役を演じているのをよく見ている印象なのですが、今回は静と動っていうか……いい兄貴分みたいな顔を見せたかと思ったら色気たっぷり甘めのホストとしての顔、そして冷静な経営者としての顔、ラグドールさまといる時の等身大の青年としての顔、いろんな面を見せてくれるのでサイコ~~~~~~でした……目が離せない……永久指名したい……ホストクラブの経営者を指名するってできるのだろうか(真剣に考えるな)
クロについていた噓がばれて店を飛び出した後のミケを見つける時の語り、「ひどく不格好なものを見た」の言い方がめちゃくちゃ好きです……あと、そこから続く語りも。語る声のトーンも、口調も、何もかも好きすぎる。円盤が出たらここだけ永遠にリピートしたいくらい。
「俺たちの仕事にはいろいろなテクニックがある。でもさ、一番大事なことは、ちゃんと生きることなワケ。だって、人の心と向き合う仕事なんだから。……でも、その『生きる』ってのが難しい。痛いんだ。いちいち、痛いんだ」
冷静で、優しく、でもどこか寂しげで、ちくんとするような……でも、とてもやわらかい声。最高だった……。

〇armkくん(ラグドール)は、普段すごい大人な感じなのにラガ様といる時子どもっぽくなるのがすごく可愛かった!あと、自分とこの若い子たちをがんばってるなあ!ってぎゅってしたり、あの子たちに嫌われたくない~~~~ってだだっこしてるのもめちゃくちゃ可愛かった……彼もまたいろんな面を見せてくれるので最高であった……。この舞台全編通してですけど、若手をもっともっと活躍させたいし活躍してほしいんだろうし可愛がっているんだろうなあっていうのを感じました。

〇fkzwくん(ベンガル)よかった~~~!!ジパオペでちょっと刺さってたんだけど今回でドスって深くなっちゃったね刺し傷がね。歌もいい踊りもいい演技もいい 落ち着いたような顔して内面はアツく。しかし接客は甘く!!!!!最高!!!!!!ラスソンとらせてあげたいからちょっと追加でシャンパン入れようかなっていう気持ちになる(※ホストクラブで遊んだことのない女がイメージだけでものを言っています)

〇mtdくん(ソマリ)可愛かった!けど素がヤンキーっぽいのもまたすてき……ギャップに弱い私だよ……。最初クロのことめためたに言うのにだんだん心を寄せていってくれて仲間として受け入れていくその変化がとてもよかった。

〇hrnくん(スコティッシュ)おもしろかったな~ww ブルーの腰巾着してるのも可愛かった……クロに店にいる時とぜんぜん違う!て言われた時のあのふたりの語りすごくよかったな。あの場面であの状態のクロのとこにやってくるのがスコさまだっていうのがすごい合っていた。キャバクラに好きな子がいてガッツリ貢いじゃうので借金があるスコ。いちばん高い酒を入れるといちばん可愛い顔してくれんの~!とスマホ(女の子の写真が入ってる)を見せるスコはデレデレだし、イヤイヤそれにしても借金すんなよ!とセルフツッコミまでしちゃうスコは店とは別人。そのギャップに驚くクロ。店で本当の自分を隠しているスコは噓つきだとクロは言うが、
「でもそうすっとさー、喜んでくれるからなー、みんな。俺が唯一この世界のために、誰かのためにできるのそれだからさ。キャバクラの女の子もさ、たぶん同じ。俺に嘘ついてくれてる。俺だって余裕で金持ってるフリすんだぜ?笑えるだろ。……でもさ、お互いを喜ばそうって、その気持ちは本当だ。それはシンプルに嬉しいじゃん?」
嘘と嘘とのやりとりだけど、その中にある『気持ち』は本当。傷つけるための嘘じゃなくて、相手を喜ばせるための、優しい嘘。クロがはじめて、「そう、かも」と、嘘を肯定する言葉を口にしたのがここだったのもよかったな。

〇お店に来る女子をキャストがやってるのすげえ面白かった……私が見たのは13夜が涼子(※以下勝手に私が呼んでいる名です)と凌子(仮)
出だしからめちゃくちゃ低音の涼子
「ね~~~~~~ベンちゃん、アタシ変声期きちゃった~~~~~~~」「一番低い声出していい?ア゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
でもうげらげら笑ってしまった……ww
そして凌子は見た目からしてメンがヘラっちゃってる感じの女子で
「いっぱいリスカしちゃった~~~~~~~」
怖いよ!!!!!!!!!!!でも声高くて可愛いんよ!!!!!!!!
14日昼の女子は笹子(仮)と裕子(仮)だった
笹子、ベンガルを「今日も顔がいいね!」とほめたあとでちょっとよく顔見せて、とじーっと観察した後で
「ア~~~お父さんとお母さんに感謝コップンカー」
て手を合わせていて会場爆笑だった(私も爆笑)もうこれから推しの顔の良さに感謝したくなった時はこれ使おう……って思った()
最近太ったことを気にする笹子、
「太っちゃったの!体脂肪率3%もある!体脂肪率1%以上はブタちゃんなの~~~!!」
ベンガルが
「それあんまり言わないほうがいいかな いろんな人敵に回しちゃうから」
てフォローしてたけど、ベンガル正解!!!ってなった。
裕子は最初から最後までひたすらアゲギャル
「エー普通にメイクなんだが草~~~~~」「ハッシュタグ~~~~~~」
とにかくひたすらハイテンションでしゃべりまくる!!!!笑いを止める暇がなかった……このキャラ作るために推しがギャルについて研究したのかと思うとめちゃくちゃ胸熱……そして可愛かった……

〇14日昼の挨拶(カーテンコール)で
「平日にもかかわらずこんなにたくさんのお客さんに……」
て言っちゃったりょうがくん……いやクロか?ww いやいやいやいや平日だよ?!と周りのみんなからつっこまれてエッエッてなっちゃうクロに、感謝の気持ちを伝えようと思ったんだもんね……!とフォローしてくれるミケめちゃくちゃやさしい愛しかないシャンパン入れるわ(軽率にシャンパンを入れる女)
最終的に
「でもこんなたくさんのお客さんに来てもらえてうれしー!!」
ってピョーンって跳ねるクロ かわいい~~~~~~~~~こっちにもシャンパンいれちゃお~~~~~~~(軽率に以下略)

〇話の展開を知った上で見た14日昼、嘘は嘘だって言われた時のあのミケの表情とか間とか空気とかさあ…………しんどかったな…………だってまさにあの時のミケはクロを守るために(と本人は思っている)嘘をついている状態なわけで 大好きなクロに自分自身を否定されたような気持ちになってしまったろうな……。

〇クロが昔のラグに似てて、ミケが昔のラガに似てるというの、なんかエモいな。今の姿を見ると反対のような気がするのに(クロが大きく?なったらラガ、ミケが大きく?なったらラグって感じ)

〇クロがやめる!ってなった時(初日夜)ふたりが食べてた緑色の何かを食べて、ノラも大変なんだな、って心を寄せて、今度一緒に食べるものはもっとおいしいものにしよう、って言うラグさま、うまいな……!って感心しました。相手に寄っていって境遇や思いに共感して、今度は自分と一緒にもっといい体験をしよう、って優しく誘うの 最高……そりゃクロもすぐ懐くよね……(ミケも言ってたけど)私も毎日人を相手にする仕事なので、これ仕事に生かせそうだなって思いました。ていうか、日々実践してるつもりだけど、これを見たことでもう一度初心に帰って丁寧に対応しないとなって気持ちが新たになりました。

〇ミケとブルーの会話の時にキャットタワーのいちばん上から見てるラグドールさまの姿勢がめっっっっっちゃ猫み溢れていて最高だった……。ふと上見たらめっちゃ猫じゃん?!?!ってなってきゅんとした。

〇「No.1への道は、修羅の道だ。どれだけみんなが憧れても、空いている席はたったひとつ。それでも目指し続けるのは、辛くて、苦しくて、……疲れる。でも、だからこそ価値がある。さあ、今夜も胸を張って演じよう!たとえ嘘まみれの世界だとしても、僕らがお客さんに与える幸せにだけは、絶対に嘘はないから!」
……このセリフ、セリフなのかな、物語の流れとしてはラグドールさまが喋っている「セリフ」であるのだけど、きっとこれは、あらまきくんの思いが込められているのではないかな、これを「喋って」「伝えて」くれているのは、荒牧慶彦というひとりの人なのではないかな……って思いながら聞いていました。彼が客席に手を伸ばしながら、微笑みながら、力強く放ったこの言葉にも、嘘はないんだな、って思いました。



いや~~~~~~~~~~~~~これが舞台上のものでホントによかった、ってしみじみ思いました。実在してたら全員に代わる代わる貢いであっという間に破産やで。じっさいなんでこれ2公演しか取ってなかったんだろうもっともっと通いたかった!!!!!という気持ちと(※仕事の休みの関係で確実に行けるのがそこだけだったからです)、でもこれ都内にいたら絶対毎日通っちゃって財布と貯金がしぬから地方でよかったんかもしれん……という気持ちを抱えて私は帰路についたのでありました。たのしかった~~~~!!!!!
開演前のアナウンスでにラグさまが言った言葉、

「どうか、この物語があなたのこれからのお守りとなりますように」

じっさい私は帰ってきてからも、物語の内容を、素敵にかっこよく可愛いあの猫たちのことを思い出す時、すごくきらきらして大切なものをそっと拾い上げるような気持ちになります。仕事は相変わらず毎日忙しいししんどいことも多いけど、この物語を思い出す時に救い上げるきらきらを、胸の中でぎゅっと抱きしめるような感覚になると、すごくパワーがわいてくる。きっとこの物語が、私にとって大切なお守りになっているのだと思います。StrayCityシリーズ、とのことなので、シリーズとつくからにはぜひ次回作を期待したいところです……!(大楽のあいさつでarmkくんも言ってたけど!)

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