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世界線を持ち寄って アイドルからみる若者文化の展望

最近のアイドルはいいぞ。
何がいいかというと、衣装がバラバラなところ。

これまでのアイドルは、衣装はデザインが同じで色違いだったり
せいぜい同じ生地を使ってそれぞれのキャラクターに合わせてデザインが違ったりするくらいだったと思うが、最近のアイドルは全然違う。生地も違うしデザインやテイストすらも違うのだ。


韓国の(もはや世界的な)トップアイドル、BLACKPINK様やMAMAMOO様はMVさえも衣装の個性が素晴らしい(数分のMVで何着も着替えるし髪型もメイクもちがうので初見では何人組なのかすら分からないレベル)し、
日本でも、永遠の古典的アイドルとも言えるジャニーズでさえ衣装バラバラ案件が発生している(SixTONESが特に顕著で「みんな同じ衣装」の曲が一つも無いと界隈では有名)。

個性がバラバラで、衣装もバラバラで
もはや同じ世界線にすらいないように思える人たちが、グループを組んで表現活動をしているのって面白いし
メンバーカラーなどでは包括しきれない根本的な差異がカッコイイ、という時代までついに来たのかな、と思う。



一方で、そのアイドルたちに熱狂するティーンの間では
双子コーデやシミラールックなど仲の良いグループでみんな同じ格好をするファッションが流行っている。
みんな同じ、という点で言うと、ここ2,3年のタピオカの流行り方は正直異常だった(日本中の全JKがタピってるに違いない)。

(↑2020/5/4時点で74.6万投稿である。ちな#タピオカ は233.2万投稿)


その背景には、SNSコミュニティの中で
みんなと同じなのにクオリティが高い、が「映え」るという価値観が育ってきていることがあるように思う。
映えるためには、共感(みんなと同じ)と差別化(みんなよりすごい)の両方が必要で
その根底にはどうしても基礎は大多数と同じ、ということが必要になってくる。
だから、放課後にはみんながタピオカを飲む。その中で話題のお店に行ったり最新の味を飲んだりして映えてく。
飲むものがタピオカじゃなくて水だったら映えない。(水が映える世界線に転生しない限りは)

でも、ティーンたちがこぞって憧れるトップアイドルたちは、
今やそれぞれの世界線をもっているわけで
近い将来にはJKたちにも「みんなバラバラ、なのに一緒にいることが映え」という価値観が流行るかもしれない


実際、私が認知していないだけで既にそういうあり方が流行っている可能性はあるし、そうなってくると大人はどんどん取り残されてダサくなるだろうなあ。
みんなとちょっと違うだけで「あの人ってやりづらい」と陰口言っていじめるような大人。


根本的な差異をもつそれぞれが、それぞれの世界線を持ち寄って共にあること。
そういうスタイルが流行る世の中に期待したいし、それをスーパーアイドルだけじゃなくてリアルライフに落とし込むことを望みたい。
そうすれば、極論の極論だけど日本全体が良くなると思う。
ちがう人たちがどのように共にあるか、ということを考えるのが政治だし!


話が遠いところまで行ってしまったけど。
とりあえず、時代に置いていかれないようにアイドルのMVみよーっと。

カイバシラアリサ
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