賞か? 健康か?/2024.09.22、10.12
これは9月の2回目の三連休の出来事だ。
土曜日の夕方。
近所のスーパーで買い物をしていると、突然左目がゴロッとする感じがした。
まつ毛でも入ったのだろうか。
でもゴロッとする前に目を擦った記憶がない。
瞬きをすると、左目に痛みが走った。
これはおかしい……。
今すぐ、お手洗いに行って鏡で目を見たいが、買い物が終わったあとで、今日は刺身を買っていた。
あたしは急いで家に帰って、刺身や冷蔵食品を冷蔵庫に入れて、洗面所に走った。
洗面所にある鏡で自分の顔を見ると、あたしの左目の白い部分が真っ赤になっていたのだ。
なんだこれ!
あたしは鏡に近づいて、左目を見た。
瞼を引っ張ると、瞼で覆われていたところも赤かった。
瞬きをすると、さっきより痛みが増していた。
なんなのこれ。
眼科に行きたい。
でも今日は土曜日。
まもなく夜の時間。
こんな時間に眼科なんて、やっていない。
近所にあるいくつかの眼科の次の診察日は、三連休明けの火曜日。
今から、ドラッグストアに行って目薬を買いに行こうか。
でも、なんでこんなことになったのかわからないし、病名がなにかわからないからどの目薬を買えば良いかなんて、医者でもないあたしにはわからない。
このまま様子を見て、もし痛みが酷くなったら、日曜祝日にやっている病院を探して行くことにして、この日は様子見で終わった。
次の日の日曜日は、痛みは土曜日に比べて良くなったが目は真っ赤だった。
そして祝日の月曜日は痛みはなくなり、赤みも引いていた。
眼科に行く必要はないかな、お金ないし。
といつもならそう思って終わるが、今回は違った。
どうしようかな。
今まで充血してもなにもしないで治ったけど、今回は痛い。
自己治癒力じゃカバーできない病気で最悪失明とかになったら嫌だな。
悩んだ末、火曜日の朝に眼科に行くことにした。
三連休の明けの火曜日の朝、近所にある眼科に行った。
診察結果は結膜炎だった。
2種類の目薬を処方されて、会社のお手洗いでその目薬を点したが、薬が目に染みて瞬きしたときの痛みより、こっちがすごく痛かった。
あるファンタジー小説で、自分の体の一部を代償に悪魔の力を得たり、願いを叶えたりするものがある。
あたしの左目は失ってはいないが、これを代償になにか1つ、絶対叶えたい夢を叶えてくれないかな、と思った。
眼科に行った日から、2日後。
創作大賞2024の中間選考発表で、自分の作品が残った。
驚きと嬉しさでいっぱいになったが、怖い気持ちにもなった。
まさか左目を代償に?
ということは賞を取るには、大怪我か体のどこかを失うレベルじゃないと叶わないとかじゃないよね……。
今月末に最終結果が発表される。
気にせず、イベントの準備をしたり、航櫂日誌を書いたりなど普通に生活を送るようにしているが、気が気でない。
今のところ、怪我や病気はしていない。
このまま元気な状態で、賞を取りたい所存である。
もし授賞式の様子を撮った写真に、壇上に松葉杖をついているあたしがいたら……そういうことです。