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ドキュメンタリー映画「NO 選挙,NO LIFE」

ポレポレ東中野でドキュメンタリー映画「NO 選挙,NO LIFE」(監督・前田亜紀、プロデューサー・大島新)を観て来ました。選挙取材で候補者を追うフリーランスライター、畠山理仁さんの孤軍奮闘を撮影した作品です。

 客観的に見れば当選の見込みがない「泡沫候補」を畠山さんは敬意を込めて「無頼系独立候補」と呼ぶ。バレエ大好き党、炭を全国でつくる党…。奇抜なことを訴える彼らにもカメラを向け、候補者全員を取材するまでは書かないというのが、畠山さんの流儀。これをフリーランスの立場でやるのは採算度外視で、家族はたまったものではない。「赤字の選挙取材人生をどうやってやめようか」。葛藤しながらも、候補者を追う姿は胸を打ちます。

 畠山さんが著書の「黙殺~報じられない無頼系独立候補者たちの戦い~」(集英社)で開高健賞を受賞した時には、私もインタビューをさせて頂きましたし、選挙取材現場では度々お目にかかりました。確かに人間の真の姿が見える選挙取材は、ヘタなスポーツ取材なんかよりも、よっぽど面白いと私も思います。それにしても、生活を犠牲にしてここまでやるとは。

 ジャーナリストという職業は、まずは自分を虜にする対象を見つけなければ、何も始まらない。そして、それを無心で追い続けられるということは、この上なく幸福なことなのだと思います。

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