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ガッツだぜ

あ、ウルフルズのあの曲のような熱血の話ではないです。

自転車という足を手に入れてから、15年ぶりにテニスを始めた。
とは言え、一緒にプレイする人もいないので、一人で壁を相手に体力を消費している。

ジュニア時代にテニスに打ち込んでいた以上に今の方が道具に負荷がかかるくらい張り切っている。

テニスやバドミントンなどのいわゆる"ガット"を張るラケット競技に使われるそのガットの素材の話です。

自分は2本のラケットを使っていて、片方にはナイロン素材のガット、もう片方にはポリエステル素材のガットを使用している。ナイロン素材は中の繊維束が摩耗と共に少しずつ外にはみ出てくる。摩耗する前は中で"紐"のように繋がっていて、恐らくその見た目がガットを"ストリングス"とも呼ぶ所以なのだと認識している。
ぼくにはそのストリングスが何だか動物の臓器のように見えたりする。特に腸。

テニスという競技が生まれた当時、ガットには牛などの腸を使っていたらしい。
食べ物やミルク以外にも色々とありがとう牛さん。
というか、自分が思い描いていた腸よりだいぶ太いな。
干して捻って細くするんだろうか。
まあ、とにかくそれだとコスパが悪いし今となっては印象も良くないので、ナイロン、そしてポリエステルと進歩してきたのだと思う。これを本当に進歩と呼べるかは議論の余地があるが。


人に気合を入れる時に「ガッツ見せろ」と言う人がいた。
主に1990年代に青春を過ごした世代の人かもしれない。
ぼくがまだ小学校を完全には嫌いになっていなかった頃の学級通信の名前は「ガッツだぜ」だった。20代の担任だったので、まさにそんな世代かもしれない。
英語でも"Show me your guts"という言葉が日本語のそれと同じ意味で使われていた時期もあるらしい。
今は知らん。どっちが先かも知らん。

ナイロン素材のガットは割とあっさり切れる。
使い方によってはポリエステルよりコスパが悪いかもしれない。
でも、打ち心地はナイロンが好みだ。
ガッツが出るような打ち方が気持ちよくできる。
摩耗してガッツがはみ出る。
見えているガッツは自分のガッツなのか、ストリングスのガッツなのか。
よくわからん。

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