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テレ東報道後の動き(お寺・持続化給付金)

昨日、自民党の政調会において、持続化給付金を含む第二次補正予算の議論がなされたようです。関連資料やテレ東報道後のネットの状況などから考察を行ってみました。明日の閣議で何らかの決定がなされるのか注目したいと思います。

自民党政調会の資料から

昨日(2020年5月20日)、自由民主党の政務調査会が開催され、第二次補正予算の議論がなされました。新型コロナに関連して、さまざまな助成関係の検討がなされています。政調会の資料は山田太郎参議院議員が公開してくださってますので、ご興味ある方は直接ご覧ください(以下の画像にリンクを張っています)。

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この中に「持続化給付金」という言葉は9回出てきますが、宗教法人に関係ありそうな部分は2箇所あり、実質的には以下の1箇所です。尚、「宗教法人」という単語は一度も出てきません。

(2)持続化給付金の対応強化
緊急事態宣言の長期化等に伴い、事業者は更に厳しい状況にあることを踏まえ、特に大きな影響を受ける中堅・中小法人及び個人事業者に対して給付する、事業全般に広く使える持続化給付金について、既に措置した予算に不足が見込まれる場合には十分な予算を追加措置する。
また、持続化給付金の対象となっていない事業者について、事業者からの声等も踏まえた上で、支援の前提となる事業性や事業の継続性を見極めつつ、迅速かつ幅広い対象者への支援策を講じる。(経産部会)

対象外事業者への支援拡大

資料では、現在持続化給付金の対象となっていない事業者への支援の可能性について触れられています。ここで対象外として考えられるのは、性風俗産業と宗教法人ではないかと思われます。

給付対象外なのはそもそも理解を得られにくいから

性風俗産業に関しては、除外されていることが職業差別であるとの批判もあり、予算委員会でも議論になりました。朝日新聞のネット版記事によると、梶山経産相は「社会通念上、公的資金による支援対象とすることに国民の理解が得られにくい(後略)」と説明した、とのことです。この答弁を読むと、宗教法人に関しても同じ理由が当てはまりそうです。

ただ、課税対象の事業を行い、納税している性風俗事業者にとっては、他の事業者同様、税金による救済を求めることは当然の権利でしょう。ドイツなどは性風俗従事者の労働組合が昔からあり、永らく職業として確立しています。給付対象外は職業差別である、という意見が出るのは無理もないことかもしれません(尚、個人事業主として業務委託形式で性風俗産業に従事している人については5月12日に持続化給付金の対象になることが示されました)。

性風俗産業よりも宗教法人の方が理解を得られにくい可能性

一方、宗教法人の活動は基本的に課税されていない、即ち、他の事業者のように納税はしていので、税金で救済することには理解が得られにくい、ということは十分考えられます。

実際テレビ東京の報道(詳しくは以下前回記事を参照)に関して、Youtubeの方にコメントが多数書き込まれていますが、やはり税金を収めていないという理由で、宗教法人への給付に関しては否定的な意見が多くなっています。性風俗産業よりも、むしろ宗教法人の方が理解を得にくいのではないでしょうか。また、理解を得られるかどうか以前に、憲法89条に抵触しないかも気になるところです。

再び大炎上?

検察官定年延長に関する法改正案が、ネットで大炎上したことをきっかけとして今国会で見送りとなったことは記憶に新しいところです(さらに後日談もありましたが)。

持続化給付金に関しても、宗教法人を含めることで再び炎上しないかは大変気になるところです。すでにいろいろと書き込まれたコメントを眺めていると、火種はすでにそこかしこにあるような気もします。

政調会の資料の文章に「事業者からの声等も踏まえた上で、支援の前提となる事業性や事業の継続性を見極めつつ」という文言が加えられています。

「事業性」という表現については、そもそもお寺の活動にフィットしにくい言葉です。しかし、給付対象に含めるにあたっては通らなければならないステップとなるようです。宗教活動の「事業性」と「事業の継続性」が国によって見極められてしまうのでしょうか。宗教界からもいろいろと議論が巻き起こりそうに思われます。

テレビ東京の報道から1週間たちました。報道では「中小の宗教法人を含めることで最終調整に入った」と明言がありました。上記の様々な懸念点はこの間に解決したのか、したのであればどのようなロジックに落とし込んだのか、大変気になるところです。

近日中に結論か

約1週間前にテレビ東京の報道があり、昨日自民党の政調会が開催され、順調に進んでいれば明日の閣議に諮られるのではないかと思われます。もちろん閣議決定がなされてもその後にプロセスがあります。最終決定はもう少し先になるかと思いますが、いずれにせよ、もし給付対象となれば、宗教界にとっては大きな転換点となるかもしれません。

どんな事案にも賛否両論はありますが、本件に関しても前回の記事以降、いろいろなご意見をいただきました。宗教界の中でも賛否両論がありますし、対象になってもならなくても様々な困難が予想されます。いずれの場合であっても、備えは必要です。引き続き状況を注視していきたいと思います。

まとめ

・昨日、自民党政調会での第2次補正予算編成会議があり、持続化給付金の対象拡大が議論された
・現状対象外である宗教法人も議論に含まれていると思われる
・事業者側の要望を踏まえ、事業性と事業の継続性を見極めて決定する、と書かれており、宗教法人に関しては論理の整理が難しく感じられる
・テレ東の報道ではかなり高い確率で宗教法人が含まれるように言及されており、この間どのように整合性を取ったのか気になるところ
・テレ東の報道後、宗教法人への給付に反対するコメントが多数書き込まれており、給付対象になる場合、炎上しないかと危惧される
・閣議が明日開かれるので、順当に行けばそこに諮られると思われる

(2020年5月21日記)

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