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みんなの日本語1「介護編」第2課

・これ/それ/あれ は 〇〇です。
・これは なんですか。
・それは なんの 〇〇ですか。
・これは だれの ですか。


場面1 居室内の質問「~は・・・ですか」

【補足】ご家族の写真を飾っていることが多いです。認知症の度合いによって症状が異なりますが、写真を見ても「だれ?わかんない」といって写真の説明ができない人もいます。

【実際のイラスト場面】その後すぐにご家族との面会があった日、息子さんの名前を呼んで普通に会話していました。「〇〇、来てくれたんだ~。」「息子ね。」と紹介をしてくれました。写真を見ても分からなかったのに・・・。

【補足】有料ホームでは居室にご家族ご友人たちからのプレゼントを置いてる方が多く、外国のお土産やご自身の勲章を示すものなど様々なものが置いてありました。「初めて見ました」「そうなんですか。すてきですね。」「すてきな〇〇ですね」という会話も実際ありましたし、私もそうでした。 スタッフとの会話のもととなったり、外国人介護士にとっては質問の練習になり、そして利用者様の脳にもいい(想起・文章を組み立てて話す)、そう感じました。 スタッフとの会話時間はなかなか不十分な中、居室にて個別に対応(茶配や介助など)する時間はほんの少し1対1で会話ができることもあります。 食事やおやつ、お茶の時間などは食堂や談話室でとっていただくことが多いです(見守りや食事介助含む)。介護度によっては居室からの移動が難しい場合、居室にて食事介助します。有料ホームだとご自身の希望で居配を選択される方もいますが、食事介助不要、嚥下、咀嚼など問題のない方のみで、常に安全面を優先しています。

【実際のイラスト場面】午前や午後のお茶を居室へお持ちする際、可愛いコースターが置いてあり「すてきなデザインですね。おみやげですか?」ときくと「娘から。イギリス旅行のお土産なのよ」と笑顔で話されこちらも癒されました。気持ちが和らぐと、「お茶、ありがとうね」「コーヒーおいしかったわ」など言ってくれることもありました。

場面2 収集癖(BPSD)「これは なんですか」

【補足】配属して間もないころ食堂から「これは何ですか」という会話が聞こえてきました。ふくらんでいるポケットを見て、「中を見てもいいですか」「みせてください」「これは何ですか」と日本語教育で聞こえてきそうな初級文型での会話が耳に入ってきました。現場でも本当にこういった会話があるんだ~!と感動したことを今でも覚えています。
 そこから現場での会話をできるかぎりメモし、日本人介護士さんたちが自然に初級文型で話されていることがわかりました。

場面3 所有者を確認「だれの〇〇ですか」

落とし物(忘れ物)はよくあります。


カラオケの時間、誰の歌手名や歌詞の意味など質問します。

場面4 利用者様からの質問「それは なんの 〇〇ですか」

【補足】職員の持っているものが気になる人が結構います。「なんの雑誌?」「なんの本?」と質問されることがよくありますが、そのあと「見せて」という人もいれば「そう」といって会話を終わらせる人、さまざまです。

場面5 利用者様からの質問「それは なんですか」

【実際のイラスト場面】
 「それなに?なにするの?」「これは体温計です。おでこにピッ!ほら、体温がでます」「へぇ~。最近はすごいね。年寄りはついてけないわ」と言われました。何か話したい、でも話題が思いつかない、なんでもいいから質問しよう、そんな感じに思えました。

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