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はると言う名の猫Ⅱ

リビングの椅子に座り寛いでいるとはるが足元で、じっと私を見つめ、座っている。
私は膝を整えてから、腿を2度叩く。はるは見上げたその体勢のまま、すっと膝に飛び移る。
それは優雅にすっと…
はるは膝の上で足踏みをゆっくり繰り返し、ごろごろと喉を鳴らす。
膝の上で落ち着けば、もう、私を見上げるなんて事はしない。

数年前から、膝に飛び移る時に少しお尻を引いて、尻尾でバランスを確かめ、飛び移るようになった。
それでも、はるは優雅さを忘れない。飛び移った後の態度もあっさり冷たいまま、ごろごろと寛ぐ。
私は膝に抱えたはるの為、痺れる足を我慢する。

今、私の足元にはるがいる
じっと私を見上げている
私ははるを抱きかかえ、膝に乗せる
はるはゆっくり足踏みをし、ごろごろと喉を鳴らす
もう、右目は見えないのだろう…

私の膝は、はるのもの。
いつでも、いつまでも
はるの重さを覚えているよ。

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