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芒種【短歌】

芒種の頃に詠んだ短歌

決められた先の言葉に頷いて見捨ててしまえ こんな界隈

皮を履き白くなるまで君の骨煮詰めて愛す食べ尽くすから

いつまでも空にいたいと願っても心躍るは南国の海

窓際に頬杖をつく あざとさに悔しいけれど坑えないよ

てのひらがそれを持つ手にふさわしい手でありたいと拳を握る

ぬすまれた時間を探し繰り返す同じ時間の螺旋階段

すれ違う人の溜息吸い込んで 夕暮れ時の街の重たさ

紫陽花は雨と遊びしかたつむり そっと葉に乗せ梅雨空に咲く

変化する白波見つめテイクオフ僕の夢見た海は何処(いずこ)に

揺れている色に躊躇い振り向けば交わる指の幻を知る

まっすぐな恋の詠など読めなくて曲がった筆先何処をなぞろう

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