アロマ喫茶の歴史。つまづき編

アロマ喫茶は、「アロマメニュー」があったら面白いなという単なる思いつき。思いついてから15年後、やっと、アロマメニューを置く喫茶店を
都内で始めた。当時増えつつあったレンタルカフェ。湯島にあったそこはとても理想の空間で、気分は上々。

ビルの二階、しかも夜。ということで
知り合いした結局来なかったのだが。

しかしその知り合いにも なかなか「アロマメニュー」というものを理解されるのに時間がかかった。いや、まだ理解されていないかもしれない。

当時は精油の原液をムエットにつけて渡す、というシンプルな方法でした。メニューも精油の名前を書いただけ。あとは口頭で説明。今思えばそれがよくなかったのかもしれない。アロマといえば効果を求めたいし、その効果が知りたくなる。そういう人がきっと来ていたのだ。聞かれれば答えないのはおかしい。だから答える。そうするとミニアロマレッスンになる。ほんとのことを言うとアロマレッスンは本来別料金である。

アロマメニューには値段をつけていた。しかし、試しに嗅いでみることをしてもらうと それでもう香りは吸い込まれている。試食よりも試す側は効率がいい。息を吸えば入ってくる。もちろんそう言うつもりはなかったと思うが、試し終わり、と言うことが結局ほとんどだった。これでは想いを達成できない。

それで、しだいにアロマ喫茶はそういう「嗅ぐ」ことを一時フェイドアウトさせてしまった。

さて、ではどうするか。香りのメニューがないアロマ喫茶はおかしい。それで色々と調べていくと、フローラルウォーターを使ったお菓子というのが海外にはよくあるらしい。調べてたどり着いたのはチュニジア。そのお菓子を試すべく店を調べたが、料理はあるがお菓子はない。しょうがないので動画を見て研究をはじめた。チュニジアでもyoutuberがいてすごく家庭的な雰囲気のままレシピ動画をアップしている。チュニジア語はさっぱりわからないがなんとなく手順はわかる。「あの粉はなんだろう」「カップ1って何グラムだよ」とブツブツ言いながら動画を漁るわたし。それで初めてつくったのはマクロウド。そのあとから他のお菓子も日本語で調べられるようになり、いくつかつくった。今喫茶の日に出している「白いアロマプリン」は チュニジアではないが中東のムハッラビーヤというお菓子をもとにつくっている。

そんなふうに、香るメニューから香りを食べちゃう方向へ進み始めた・・


つづく

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