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どうして安い!? どこまで安い?


印刷工程でお金のかかるところは一緒なのに、なぜネット印刷は安い?
理由を考えてみた。
また、安い価格はどこまでも続くのか。
調べてみた。

❶ネット印刷が安いワケ

◎大量の受注をネットで可能にしたから。
ネット印刷では、各社指定のページより発注、入稿のすべてが完了します。特別な場合を除いて、受付の係や営業の方が間に入って、サービスを行うことはありません。地域の印刷屋さんに比べ、大量の受注をコストをかけずに獲得することが可能です。

◎大量受注が、大量仕入を可能にしている。
印刷用紙や版材(ハンコにあたるもの)、インキ等必要な資材を大量発注することで大幅なコスト削減を実現している。
※ネット印刷会社によって得意とする印刷品目があるのは、この大量発注の品目、規模が各社異なっていることが一因としてあげられます。

◎印刷固定費を、複数のクライアントで共有している。
これまでの印刷では各クライアント(受注)の印刷仕様やサイズ等の違いから、受注ごとに印刷機を回していた。ところが、ネットによる大量受注の実現で印刷仕様が近い受注を複数得ることが可能となり、複数の受注を一度で印刷してしまえるようになった。この結果、印刷固定費を複数の受注で分け合うことで低価格を実現できている。
発注から発送までの期間が長くなるほど安いのは、印刷仕様の近い受注をなるべく多く受けることでコスト削減を図っている。

ネット印刷が安い大きな理由は、以上です。

❷どこまで安い!? ネット印刷

地域の印刷屋さんが、ネット印刷会社と同等の価格を実現できるのだろうか?
発注枚数が増えるにつれて金額は収束していくと想像していたが、全く収束しませんでした。枚数が増えるほど金額の差は開いていきます。B4、A4の片面、カラー、モノクロ印刷について10万枚くらいまでのデータを取って調べました。以下そのデータをもとに作成したグラフです。
※地域の印刷屋さんの印刷価格は概算で、一般財団法人 経済調査会発行「積算資料印刷料金2018年版」の東京地区料金を参考にしました。(印刷機サイズによる価格の違いは平均を取りました。)
※ネット印刷価格は、発注から発送までの期間によって変動するので、この期間を3日間としました。(受注・印刷・後工程で3日間が一般的であると考えました。7日間のデータも作成しましたが、金額の開きはさらに広がります。)

B4コート紙90kg/片面印刷(発注から発送まで3日間)
◎カラー

◎モノクロ

A4コート紙90kg/片面印刷(発注から発送まで3日間)
◎カラー

◎モノクロ

ネット印刷ではモノクロよりカラー刷りの方が開きが大きいです。(ネット印刷では、カラー印刷が安い!
調べる前は、枚数が増えるにつれて価格が近寄っていくと思っていましたが、ネット受注によるコスト削減大量受注による資材、用紙のコスト削減が想像以上に大きいことがわかりました。

今回の結果から、地域の印刷屋さんに発注するメリットはないのでは…。
次回は、地域の印刷屋さんのお仕事を解説、印刷金額だけでないメリットをご紹介します。(私の当初の予定では金額においても、ネット印刷と同等の発注枚数が存在するはずだったんですが…)

私が経験したこと、考えたこと、デザインワークの紹介などを投稿しています。皆さんに楽しんでいただけるよう頑張ります。記事に関するご意見等是非お聞かせください。