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【ラノベ感想】『100日後に死ぬ悪役令嬢は毎日がとても楽しい。』

かねてより交流いただいております、ゆいレギナさまの書籍
『100日後に死ぬ悪役令嬢は毎日がとても楽しい。 (GAノベル)』

読破したので、面白かった点をご紹介したいと思います。


〇「100日後に死ぬ」状況を「とても楽しい」と言い切る。

主人公の公爵令嬢ルルーシェは、「100日後にきみは死ぬ」と神様から天啓を受けます。
神様から予定された未来を聞き、運命に抗うお話です。

100日後に死ぬ、と言われると悲壮感漂ってしまいそうですが、「毎日がとても楽しい」と言い切るところに死生観の革命……とでも言いましょうか。

「死ぬのが嫌だから回避する」というのではなくて、
「死を受け入れて楽しむ」という姿勢。

死に対する考え方の提案をしているところが面白いです。

ルルーシェが運命の告知により自身の環境を変えたように、われわれももし「100日後に死ぬ」と覚悟を決めたうえで毎日をとても楽しんで生きるとしたら人生が好転するかのかもしれないな~などと考えました。

まあ、自分がほんとに100日後に死ぬなら全財産を浪費してダラダラ過ごしますが……!w

〇悪役令嬢ではあるが、『転生』悪役令嬢ではない。

みんな大好き悪役令嬢。なぜみんな大好きなのか。

・上流社会の出自
・貴族の矜持
・約束された美貌
・人から一目置かれる立ち振る舞いと幼少より積み重ねた勉学や芸事
・周囲への影響力

このあたりを最初から持っている人物の話が読みたいということでしょうか。(いまさら分析してみた)

こうみると、やっぱりみんな親ガチャに多少なりとも不満を持っているんだなと思います。
持たざる者がこれらを獲得していく強さと過程、というものも私は好きですが。。

いわゆる悪役令嬢の転生モノは、「悪役」というくらいだから、転生前の「性格の悪さ」をはじめの欠落として描き、転生することで「性格の良さ」に加え「行動での改革」に変えて無双する、みたいな構図だと思っていましたが、この作品は違います。

転生モノではなく、現地出身の悪役令嬢です。

物語の欠落を、「周囲の勘違い」と、
「100日後に死ぬ」という予告で表現しています。

すごく良いです。

<さいごに>
なろう版ではすでに完結済で読破済ですが、
書籍版の100日後も見届けたいと思いました!

詳しくはネタバレになりそうなので書きませんが、
推しキャラは王道(?)の、神様です。
男装従者のルルーシェも大好物でした。

素敵な作品をありがとうございました!

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