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読書の秋2021「あの頃」に戻ろう! こどもの本で、読書感想文にチャレンジ!~車のいろはそらのいろ~『松井さんのタクシーに乗って行きたいところ』

大変ご無沙汰しています。
よくばりすです。
今日は、夫カホゴンに勧められて
こちらの企画に応募したいと思います。

あまんきみこ さん作『車のいろは空のいろ』の
読書感想文です。

『松井さんのタクシーに乗って行きたいところ』

私は、近所の小学校の図書室ボランティアをさせていただいています。
この秋、新しく入れる本の選書をする際に、
先生から国語の教科書の並行図書の希望がありました。
そこで私たち図書ボランティアメンバーは、図書室の棚の本と教科書をにらめっこして、いくつかの並行図書を選びました。
その中で、あまんきみこさんの『車のいろは空のいろ』シリーズが一冊もなかったのでシリーズ三冊を購入することにしました。
その時に、メンバーから小学校時代に習った時の思い出話が飛び交いました。
「『白いぼうし』が載っていたよね」
「習ったの3年生だった?4年生だったっけ?」
「松井さんってたぬきだったよね」
「えっ、きつねじゃなかった?」
「あまんきみこさんの世界は素敵よね」
などなど、30代、40代、50代の三人それぞれが記憶を出しあって盛り上がりました。
何十年たっても記憶に残っている、松井さんのタクシーの世界。
それほど、不思議で楽しくて魅力的な物語。
あまんきみこさんの思いのこもった素晴らしい作品です。
いろいろと思い出を話し、懐かしい気持ちになりました。

4年生の国語の時間に、先生が買ってきてくださった甘夏を食べながら感想文を書いたのを覚えています。
松井さんが外にあったぼうしからうっかりちょうちょを逃がしてしまい、その代わりにタクシーに乗せていた甘夏を入れると、今度はタクシーの中に甘夏の代わりに女の子に変身したちょうちょが乗っていたりと、
子どもの頃に読んだ時にワクワクしたのを覚えています。
そして今回、購入した本を改めて読んで、
もうひとつ思い出しました。
ちょうど学校で『白いぼうし』の単元の学習をしていた頃、
私の母は手術のために入院していました。
私は毎日のように、母に会いにバスで病院に通いました。
ある日のこと、他の乗客はみんな降りて、貸し切り状態で、私だけがのっていました。
その時に運転手さんが、
「蜂が乗っているから気をつけてね」
と車内マイクを通して私に知らせてくれました。
キョロキョロ回りを見渡すと、一匹の小さなミツバチが乗っていました。
バスがちょうど、終点の病院のバス停に着く頃、
そのミツバチも窓から出ていきました。
当時の私は、ちょうど学校で習っている白いぼうしのちょうちょとミツバチが重なって、
「ミツバチも、山からバスに乗って誰かのお見舞いで病院に来たのかな?」と想像していたのを今回思い出したのです。
そして、今思うと、あの運転手さんはもしかしたら松井さんだったのかもしれません。
そう思うと大人になった今もワクワクしてしまいました。

更にもうひとつ、当時、思っていたことを思い出しました。
もしも、松井さんのタクシーに乗ったら、どこに行きたいかを、当時の私はよく考えていました。
小学校時代転校を繰り返した私は、四年生の時点で三つ目の小学校に通っていました。
そして、その頃、「最初に生まれ育った場所に行って懐かしい友だちと会いたいたい」と強く思っていました。
「松井さんのタクシーに乗って、行けたら良いなぁ」と毎日思っていたあの時のことを思い出しました。とても懐かしい、子どもの頃の思い出です。

「今の私は松井さんのタクシーに乗って、どこに行きたいかなぁ。」
考えるだけでとてもワクワクしてきます。
そして、あの日学校で食べた甘夏の味と教室中に広がった甘夏の香りを思い出します。
大人になった今も、松井さんのタクシーの魅力は変わらないままです。

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