学習体験をデザインする
※Spectrum Tokyo Jam #01 に登壇した際にお話した内容の文字起こしです。
私は株式会社MIMIGURIで働いています。主にCULTIBASE事業という学習プラットフォームのデジタルプロダクトデザイナーとして活動しています。また、一般社団法人デザインシップにも所属しており、教育事業であるDesignship Doというデザインスクールの立ち上げにも関わっています。
私が関わっているプロダクトや事業についてご紹介します。
CULTIBASEは、MIMIGURIの研究と実践の結果得られたマネジメントやファシリテーションの学習プラットフォームです。
CULTIBASE Labは、最新の知識をライブイベントや動画配信で提供しています。
理論的な知識でもわかりやすい内容にしているので、気軽に学べる会員制サービスとなっています。
CULTIBASE Schoolは、最新のマネジメント理論をスクール形式で学ぶプログラムを提供しています。
Designship Doは、実践的なデザインスクールで、デザイン、ビジネス、リーダーシップを学ぶことができます。
このように複数の教育・学習事業に関わっていく中で見えてきたことを本日お話したいと思います。
「学習体験をデザインする」というテーマにおいて、今日この場でお話したいのは学習者が学習する過程をUXデザインとして捉えてみたらどういうことができるおか、ということです。
スクールをする際にカリキュラム設計というのが必要になります。
CASE1として、カリキュラムディレクションをした際にUXデザインとして捉えた話をしたいと思います。
従来のカリキュラム策定は教える側から一方的に与えられる場合が多いです。
そこに学習者をユーザーとするとUXデザインの手法を組み込むことができるのではないかと考えました。
学習者のニーズや興味を加味してカリキュラムをつくるためにカスタマージャーニーマップのように描いてみました。
従来的なやり方ですと「学習テーマ」や「講義」のみでカリキュラム構成を考えますが、そこへ学習者の課題感や思考を踏まえることで学習者の状況を加味したカリキュラム設計をすることができました。
デザイナー向けのスクールなので、例えば「観察スケッチ」のようなデザイン基礎は馴染みが多く、取り組みやすい講義なのでカリキュラムの入り口に配置し、
ビジネス基礎のような講義はとっつきにくさがある学習者も多い可能性があるので、レベル感の配慮や課題テーマをデザイナー向けにすることでモチベーションや興味を持って学習できるように意識しました。
このように、カリキュラムを受け始めてから受け終わるまでのカスタマージャーニーマップを描くことで学習者視点を取り入れることができます。
次に学習サービスにおける学習体験の設計についてです。
学習サービスで提供するコンテンツや教材は、従来教える側の目線で知識や必要な情報の伝達提供を意識して教材づくりがおこなわれます。
そこへ学習者がどういうふうに学ぶのかという視点をも盛り込みたいと思いました。
プロダクト開発やUXリサーチをしてる人からしたら当たり前なことかもしれませんが、ユーザーに対してリサーチを行い学習プロセスやニーズを可視化しました。
これをすることでコンテンツへ到達するまでに、学習者がどのようなニーズを求めていたり、なんのために学習したいのかという価値観がわかり、コンテンツを含めた学習サービスそのものの俯瞰的な体験設計ができました。
このように学習・教育という分野においてもUXデザインのアプローチは活用できると思います。
学習者の視点を取り入れることで学習へのモチベーションや理解力を高めることができるのではないでしょうか。
私としては今後も、学習×UXデザインの実践を積み重ね新たなアプローチを模索していきたいと思っています。
読んでいただきありがとうございます。Twitterは @tajima_kaho でやってます。