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別れは突然に

最後に会ってから、もう1ヶ月以上経つ。

「おかわり?」

そう言って、微笑みながら「おかわり」を持ってきてくれるネパール人の彼。

よく行くカレー屋の店員さんだ。

かなりの頻度で通っているので、「おかわりください」と言わずとも、ちょうど良いタイミングで持ってきてくれるようになった。

いわゆる「陽気なインドカレー屋さん」という感じではなく、彼はどこか控えめで、最低限の会話しかしない。
それでも表情が穏やかで柔らかく、心地の良い接客をいつも楽しみにしていた。

そんな彼が、店から居なくなった。

はじめは「今日はお休みなのかな」と、そんなに気には留めていなかったが、その次も、そのまた次も、またまた次も、彼はいなかった。

おかわりをするくらい美味しいから通っていたはずなのに、彼が居ないとなると、なんとなく足が遠のく。

お店を辞めて、国に帰ってしまったのだろうか。

(あーん、さみしい!幸せに暮らしていますように)

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