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どうせ消えちゃうんだから

どうせ消えちゃうんだから、
ものを持ってたって仕方ない。
残したものは誰かの重荷になってしまう、
気がする。
欲しいものはいつも自分の中にあって、
それ以外のものでキャパが埋まると、
正直困る。
わたしが欲しいのは、お金ではない。
地位なんてもらっても、
すぐに誰かに渡しちゃう。
欲しい人がいるなら。
名誉だって、
寝たら忘れる。



どうせ消えちゃうんだから。
小学校三年生くらいからずっと思ってる。
どうせ消えちゃうんだったら?




わたしが欲しいのは、魂が共鳴するあの瞬間と実感。だから、
魂を揺さぶられる瞬間を味わっているしかない。
わたしには、今しかない。
今、どれだけの人の魂にわたしの何が響くかわからない。

でもわたしは、街で見かけた微笑みや、歌や、言葉や、空の美しさに魂を揺さぶられるから。
そうやって、音叉みたいに、共鳴できるって、わかる。

だからこうしてSNSをフルで使って、今を響かせる。
どうせ、流れちゃうんだから。
どうせ、消えちゃうんだから。





今、どれだけ響きあえるか以外に重要なことが、
あの頃からない。
地位も名誉もフォロワーも貯金も、数えるほどないわたしでも、今に夢中になっていいんだと思えるようになったあの頃からわたしは、満たされている。

消えちゃっても、この感動だけは消えない気がするのも、あの頃から変わらない。わたしはこの感覚だけを、持っている。

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