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【京都ライター塾9期レポ】第5回原稿の書き方

「取材対象者の言わんとしていることを汲み取って伝える」
これがライターの使命だ。
江角悠子さんが主催する「京都ライター塾」の第5回「原稿の書き方」
の講義で感じた。

第5回の講義までに江角さんにインタビューをするという課題があった。
掲載する媒体を想定して、企画書を書き、質問事項をリストアップして取材に臨む。そして原稿を書いた。
インタビューはがちがちで、もっと質問したいことがあったのにできなかったり、具体的エピソードが足りなかったり。。。
原稿を書くときになって改めて気づく。
今回の講義では、書いた原稿に対して、1人ずつとても丁寧に江角さんからフィードバックをいただいた。


書き手のわたしは知っているけれども、読者のあなたは知らない

これってこういうことが言いたいのかな?
文章を読み進めるのに時間がかかってしまい、最後まで読むのに苦労したことはないだろうか。

講座の例文で取り上げられた文章の中に、「フランスの色をした店」
ということばがあった。
これはフランス国旗のあるお店なのか、フランスを連想させるお店なのか、
なんとなくはわかるが、はっきりとしたことはわからず、読者任せとなってしまっている。

また例えば、「『フリーランスがスキルアップするには』の連載では~」みたいな文章がいきなりきて、話が進んでいこうとしたら、その連載ではどんなことが書かれているのか、具体的なことがわからない。
結果、読者がついていけなくなってしまう。

書いて、一度立ち止まる必要があるのではないか。
読んでくれるあなたはわかるかな?
常に謙虚な姿勢で、まっさらな状態で、書いた文章に触れることを忘れてはいけない。常に読者と並走できるよう、舵を取っていく。

原稿を書く作業はライターの手腕にかかっている

原稿を書くとき、取材対象者から聴いたままを書くのではない。
読者にも取材対象者にも、まっすぐ向き合って文章を書いていく。

・読者にとって読みづらい文章になっていないか?
→話しことばではなく、書きことばにできているか。
→文章が過去、現在、未来の順番になっていなくて、時系列がわかりにくくないか。
(時系列を入れ替える場合は、○○年前とか、幼少期など、わかるように書く)
→最終的に読者に何を伝えたいのか、締めのことばがあるか。
もしくは取材対象者のことばに中にそれを盛り込めているか。

・取材対象者にとって悪い印象になる文章になっていないか?
→マイナスな表現をそのまま書いてしまっていないか?
 ⇒ポジティブに書き換える!
→取材対象者のことばの語尾が断定的であったり、「○○ですよ
といったように、読者に強く偉そうに感じられてしまわないか?

そして冒頭にも書いた、取材対象者が言わんとしていることを汲み取って、補う。取材対象者のことばにならない声があると思う。
そこにないけどあるものを受け取る。
それを文章にして補うことで、見えづらかったものの輪郭が浮かび上がってくるのではないか。

第三者としての編集者視点

文章には読みやすい文章と読みづらい文章とがあるが、そこに自分は気づけるだろうか。
良い点と修正点(提案したい点)を見つける。
いわゆる編集者視点だ。
今回の講座で学んだことを、書きあげた後に、編集者視点に立って見直し、推敲する。それはとても大切なことだ。

一方で、講義の中で江角さんがおっしゃっていたのが、
必ずしも1人で100点の原稿を目指さなくていいということ。

基本的に世に出ている文章は、たくさん人の手によってきれいに整えられ、ベストな状態のものだ。
もちろん書き手は最大限ベストを尽くす。だがたくさんの人とともに100点を目指せばいい。たくさんの人の手が入って、磨き上げられていくのだ。
その人にしか書けない視点と編集者視点が混ざり合い、最高のものが生まれる。これはとても心強い。


最後に

いろんな過程を経て、やっと読者のもとに届く。
世に出すということは、それだけ責任が伴う。
身が引き締まる思いだ。

最初からすべてを完璧にすることは難しい。
でもまず書き手にできることは、取材対象者とのインタビューを最大限ベストなものにすることだと思う。

取材対象者のすべてに集中する。
取材対象者のまとう空気感や表情、声、目。発したことばからさらなるその裏側、心の機微。
質問はただの質問ではない。取材対象者のいろんな要素を引き出すものなのではないだろうか。
取材対象者のことばには、きっと乗り切らない、いろんな感情や思いがあるはずだ。
それを感じ、想いを馳せることができるように、こちらは心の余裕を持って、感覚を研ぎ澄まさなければならない。

インタビューの密度を高めていきたい。

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