カグヤアヅサ

柴犬や宇宙を描きます。

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最近の記事

震えるまま描け

私は、実はこれまで 手の震えに悩んできた。 特に絵を描くにあたっては 「震えてくれるな」と祈るような気持ちで ペンを握りしめ、 ときには「震えなければもっと描けたのに」と いら立つ時もあった。 ここ最近アクリル画からも デジタルからも少し遠ざかったのは この症状が強くなったためだ。 しかし今日ふと絵筆を執った時に あるインスピレーションが舞い降りた。 震えまいと息を止めて コンピュータのような線を描こうとすることを いっそやめてみてはどうか、と。 たしかに震えを受け

    • 安物買いの銭失いをやめよう

      初めてCOACHのバッグを買った。 羽振りがよくなったわけではないし 見栄を張りたいわけではない。 安物買いの銭失いをやめる第一歩だ。 それまで私はファストファッションしか持たず 通販で考え無しに買っては 失敗した、飽きたなどの理由で ゴミとして捨てていた。 しかしある時、転機が訪れた。 85パーセントオフで1000円という 破格の値段の腕時計を買ったところ 500円でも買いたくないようなクオリティの 時計が届いたのだ。 しかも新品のはずが傷だらけ、 電池は入っていない

      • 恵方巻きレスキュー

        私は去年から、 恵方巻きを救っている。 食品ロスにより捨てられる恵方巻きを 一本でも減らすため、 恵方巻きレスキューと称して 大量の恵方巻きを食べている。 しかし去年は7本食べたのに、 今年はどういうわけが3本しか入らない。 本来ならば 恵方巻きレスキューのいらない社会が理想だが、 読者の皆さんにも 売れ残りそうな恵方巻きを発見したら 救出してあげてほしい。

        • 3分でアメリカに行く方法

          私は最近、 3分でアメリカに行く方法を編み出した。 簡単にいうと、 アメリカのニュースをつけるだけだ。 しかしなぜそんなことができるのか。 テレビに繋いだパソコンで WWIテレビにアクセスし、 好きな都市のFox newsを選択すると アメリカのニュースとCMを見ることができる。 お金をかけることなく たったこれだけでアメリカに行けるのか。 これが不思議なくらい、 アメリカを感じられるのだ。 そのままうたた寝でもしようものなら 目を覚ました時に自分がどこにいるか分から

        震えるまま描け

          未知と遭遇する柴犬

          未知と遭遇する柴犬

          ブラックホールから足が生える決定的瞬間

          黒犬が丸まっている姿が ブラックホールに見えたので カメラを向ける。 すると黒犬が気づいて 立ち上がろうとしてしまう。 撮影は失敗したかに思えた。 しかし結果は真逆だった。 ブラックホールから足が生えるという 決定的な瞬間が捉えられたのだ。 そう、何もかも予定通り成功することだけが 成功ではないのだ。 よくある何かの上に何かをぶちまけたことで 誕生する料理のように 成功より素晴らしい失敗もあるということを いつも覚えておきたい。

          ブラックホールから足が生える決定的瞬間

          柴犬パピーの話

          これだけ柴犬を描いてきた私だが、 パピーを描いたのは初めてである。 パピーは頭でっかちで丸っこく 毛はポフポフして手足が短い。 ゆえに難しかったのだ。 なぜ子犬と言えばいいのに パピーという語にこだわるのか。 「子犬」より「パピー」の響きのほうが パピーのもつ幼さや愛くるしさが 伝わる気がするのだ。 私には一緒に暮らし 共に天体観測をする柴犬、ニコがいる。 ニコは5歳の成犬だが 可愛くてたまらない時には思わず 「My puppy!」と呼びかけてしまうものだ。

          柴犬パピーの話

          シバシバ星人

          シバシバ星人

          図鑑とコーヒー

          図鑑とコーヒー。 最近、この2つが 非常に合うということを発見した。 ご飯とキムチのように合うが、 白シャツとカレーうどんのように ハイリスクでもある。 しかしながら ぼんやりと図鑑を眺めながら飲むコーヒーは 不思議なくらい美味いものだ。 幼少期に、図鑑が好きなのに 読み物ばかりしか買ってもらえなかった反動から 私の本棚は図鑑だらけだ。 ここまでに様々な危機があったが、 よく生き延びて大人になれたと思う。

          図鑑とコーヒー

          猫も杓子も宇宙だった時代②

          90年代の記憶は薄いが、 このときも社会全体が 宇宙で盛り上がっていたようだ。 ハッブル宇宙望遠鏡や 国際宇宙ステーションの時代である。 当時私は幼稚園児。 父親がくれた使わなくなったノートパソコンで よくスクリーンセーバーを見ていたものだ。 最近のパソコンは しばらく操作がないとロックされてしまうので 馴染みのない方もいるだろうが、 当時は画面が焼き付くことを防ぐため 迷路や星、泳ぐ魚、幾何学模様などの 動画が流れていた。 中でも最も記憶に残っているのが 宇宙のスク

          猫も杓子も宇宙だった時代②

          文化はどこへ向かうのか

          あくまで私の体感だが ゲームやアニメ、漫画を好む若者が増える一方で 多様性が感じられなくなった気がする。 同世代や若い世代の人々と出会うとき 互いを知る会話の入り口として 好きなものを問うことも少なくないが ゲームやアニメ、漫画と答える人が 圧倒的に多いことに気づく。 さらに驚くことには、 首を傾げたままとうとう答えが出ない人もいる。 ゲームやアニメ、漫画の共通点は 現実とは全く別の仮想世界であることだ。 もう既にほとんどの若者が 世知辛く退屈な令和の世に嫌気がさし

          文化はどこへ向かうのか

          系外惑星の柴犬

          系外惑星の柴犬

          コロナ禍で変わったこと

          時は早いもので、 コロナ禍が始まってから 実に4年目に突入しようとしている。 すっかり家と仕事を行き来するのみの生活が 定着してしまったものだが、 やはり寂しさや虚しさはつきまとう。 それまでの私はといえば、 定期券の範囲で途中下車ぶらり旅をしたり 機材を担いでは昔ながらの楽器店の 変な匂いのするスタジオを借りて録音したり。 当時24歳、恋もした。 この上ないくらい、ひどい失恋だった。 しかしもう、恋はおろか人との出会いがない。 音楽を辞めて絵に転向したせいもあるが、

          コロナ禍で変わったこと

          宇宙へのドア

          宇宙へのドア

          猫も杓子も宇宙だった時代①

          今では信じられないが、 2000年代前半には コンビニにさえ宇宙に関する食玩があった。 チョコエッグやその他の食玩にも 宇宙シリーズがあったが 今回は宇宙開発をテーマとした宇宙食玩、 王立科学博物館について語ろう。 当時小学生だった私は いくつかしか買ってもらえなかったが、 他の食玩にはない高いクオリティと 高級感あるパッケージには特別感があり、 特にお気に入りだった。 大人になってふと存在を思い出し、 Amazonで検索すると 奇跡的に全種セットが残っており 迷わず注

          猫も杓子も宇宙だった時代①

          火球、驚きの体験

          昨夜、初めて火球を見た。 19:03頃にプレアデス星団を見ようと 双眼鏡を真上の空に向けたその時。 視界の端に、長い尾を引いた白い光が現れた。 そしてそれは北から西に、 ものすごい速さで通り抜けていくではないか。 それまでに2秒もあっただろうか。 白かった光は頭のほうから真っ赤に染まり 嘘のように消えてしまった。 おそらく火球が、大気圏で燃え尽きたのだろう。 27年もの間夜空を見上げてきたが、 初めての体験である。 それはとても美しく神秘的で 少し恐ろしくもあった。

          火球、驚きの体験