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震えるまま描け

私は、実はこれまで
手の震えに悩んできた。

特に絵を描くにあたっては
「震えてくれるな」と祈るような気持ちで
ペンを握りしめ、
ときには「震えなければもっと描けたのに」と
いら立つ時もあった。

ここ最近アクリル画からも
デジタルからも少し遠ざかったのは
この症状が強くなったためだ。

しかし今日ふと絵筆を執った時に
あるインスピレーションが舞い降りた。

震えまいと息を止めて
コンピュータのような線を描こうとすることを
いっそやめてみてはどうか、と。

たしかに震えを受け入れ
ありのままに恐れず描き続ければ
いつか震えを飼い慣らし
表現の味とすることができるはずだ。

そうすればもう震えを恐れることはないのだ。
これに気づいてなんだか嬉しくなった私は
次々とアクリル画を描きあげた。

ハンデに負けず、という姿勢も否定はしないが
ハンデとともに、という
良い意味で力の抜けたスタイルも
決して悪くないと思うのは
私だけだろうか。

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