見出し画像

山東省で高級芋虫?をご馳走された話~プチ!ブチュッ!!ゴクリ!!!

お願いしたい事があるので山東省へ行ってくれないかって話が舞い込んで来たのは2018年の正月休みが終わろうとしていた頃でした。

これが東北部なんかだったら絶対にお断りしたのだけれど、山東省ならまあまあ暖かいし食事が美味しいって事に惹かれてしまい、とりあえず行ってみる事にした。

仲介人を通じた地方政府の案件で、これがこの年(2018年)の仕事始めとなりました。

その時、別の案件で知り合ったN君に新年の挨拶をする機会があって、会話の中でN君も同じタイミングで中国に出張する事を聞かされた。行先は青島って言うので、同じ山東省ですね、なんて話をしていたのを覚えている。
因みに、私の訪問先は威海市(Weihai)ってところで、かつては威海衛だったと言えば分かる人も多いのではないだろうか。昔から海上交通の要所であり、現在は重要な軍港の一つとなっている。
そのためか、着陸態勢に入ってからは窓のブラインドを完全に閉められてしまった。きっと軍事上の機密があるに違いない。

2018仕事始め

その頃の㒒はバンコクを拠点に仕事をしていて、正月明け7日に東京からバンコクに戻り、15日夜にバンコクを出て翌16日に北京経由で威海空港に入ったのだけど、朝5時頃に北京空港の国内線ロビーを見てぶったまげた。カウンターが遥か彼方にあるではないか。
やっぱ中華にはケタ外れの人民が暮らしているのだ。この人たちはどうやって空港まで来たのだろうか?まだ夜も明けていない時刻なのに。

ロビーではどの列に並べばよいのかさっぱり分からず、もうちょっとで心が折れるところだったけど、空港職員に聞きまくって乗継で急いでいる人のためのカウンターを教えて貰い、なんとかチェックインに漕ぎつけた。ここまで来ればひと安心。あとは搭乗ゲートを見つければOKだ。

威海市

威海空港に迎えに来てくれた人が誰だったかもはや忘れたが、その人と車中で話をしていると、もう一人別の日本人が青島空港から来る予定だと言うではないか。なぬ?青島から日本人???
そう、N君も私も同じ仲介者から依頼を受けていたのでした。これにはお互いに驚いたのだけど、どうやら出発地が違うので降りる空港も違っていたってのが結論のようだった。案件はそれぞれ異なるので同じ依頼人だと分からなかったのだ。

僕が頼まれたのは巨大な物流センターを作るためのスーパーバイザー的な仕事だったのだけど、高台からだだっ広い土地を見せられて、ここを物流基地にするのだと説明されたがイメージがちっとも湧いてこない。
あまりに大雑把なプレゼンを聞いて、やはり中華はすべてがデカイのだと悟った日である。

そこで、港湾からの道路整備計画などについて質問してみたものの、これといった回答をお持ちでない事が分かり、どうやらこの案件はまだまだ準備期間が必要だなと思ってからの㒒はスイッチが観光モードに切り替わってしまった。

とは言え、中国ってのはやると決定したら恐るべき速さで物事が進んでしまうので侮ってはいけない。港湾からの道路くらいは、ルートと規格さえ決めてしまえば計画なしでやってしまうようなところがある。
それに一生懸命に説明してくれている職員もいるので無下には出来ず、威海市に滞在している間にひと通りの内容は把握するように努力をした。

芋虫料理

翌日の夕方から市のゲストハウスのような家で懇親会があった。次々に運ばれてくる美味しそうな山東料理について丁寧に説明をしてくれる係の人がいて、これはなかなか勉強になった。食を知る事はその国の文化を知る事になるからだ。

山東省の料理は味付けが濃くなく、けっこう日本人に合うと思うのだけど、そこは中華なので箸をつけられないような皿も出てくる。

今回は芋虫のような料理がそうだ。職員が芋虫について説明をしてくれて、これは高級だとか、ここまで大きいのはなかなか見つからないとか言ってるのだが、こっちは皿の芋虫が気になって仕方がない。
そして遂にテーブルがぐるりと回って、その虫皿が僕の目の前で止まってしまった。大切なお客のために大きな芋虫を取寄せたと言われては、日本男児たるもの食わぬワケにいかぬ。

まずは小さいヤツを口に放り込む。これはカラッと揚がりきっているので楽勝であるが、味は香ばしいとしか分からない。味わうにはまだまだ修行が足りない。中華料理は奥が深いのであるwww

次に中サイズを口に入れてみると、少し弾力が残っているのが分かる。外はカラッと中はジューシーってやつだ。ザンキならそれで良いが、芋虫はそうはいかない。基本的には噛まずに飲み込む。
もしもプチっやっちまっても何とかなるクラスだ。

問題はデカイ虫だ。木の中にいるのを捕まえるらしいのだが、これは明らかに揚げ加減がレアである。噛むのは絶対に嫌だし、丸のみできるサイズでもない。
ここに至っては覚悟を決めねばならない。グラスを片手に持ってガブリとやった瞬間にビールで流し込んだ。ブチュッ&ゴクリの瞬間芸である。これしかない。

そして僕が三種の珍味を食べたあとは当然、テーブルをぐる~っと回してN君の目の前で虫皿をピタリと止めて差し上げました。

最終的には仕事にならなかったけど、それなりに楽しい仕事始めでありました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?