キャンプ道具で生活しています~アウトドアは防災を兼ねる
東京の住処を一旦引き払った数年前、軽トラ満載くらいあった大事なアウトドア道具一式を知人に預かって貰った。
軽トラ満載って言われてもどのくらいの物量なのかイメージしづらいだろうけど、テントだけでも5~6人用が二つ、一回り小さいサイズとソロ用がそれぞれ一つ、なぜかエア式の大きなマットなんかもあって、いつも手入れは怠っていなかった。
ランタンは入手不可能な古いタイプなど大小で10基くらい持っていたし、新しいところ(と言っても十年選手だけど)では武井のストーブと定番のユニフレーム焚き火台なんかもあった。
タープだの調理道具だのは数えきれないくらいで、これに二人分のウェアやザックや靴がところ狭しに積み上げられているのが常だった。
仙台に移る少し前くらいからマンションの一部屋はアウトドア専用となっていて、山積みになった四畳半のドアを開けると壮観だった。
道具一式が行方不明になる
アウトドア道具一式は実家へ送ろうと考えつつも、配送なんかを考えると手間がかかるから躊躇していた。
こんなごちゃごちゃした荷物を運送屋に頼むとけっこうな金額になってしまうだろうから、運ぶとなると自分で四国まで運転するしかないと思っていたからだ。業者に頼んで破損するのも嫌だった。
ただ、実家からは預かると言ってくれていたけど、四国を往復する時間も作らなきゃならないし、家財など他の所有物は知人が引き取りに来てくれる事になっているから、どうせならワンストップの方がいいなと思って結局、その知人にお願いする事にした。
その知人が経営している会社の倉庫で保管しておいてくれるようだった。
ところがである。
預けていた期間が予定より長くなったから文句を言えないのだけれど、一切合切が残ってないと知ったのはタイから帰国する直前のことだ。
家財の中には古くなっていて買い直すしかないものもあったから諦めるとしても、登山道具には亡くなった嫁のものもあるし、もう手に入らないランタンやストーブなんかもあって、一生モノだと思って大事にしていたギアも多い。
後悔先に立たずであって、やはり四国で保管しておけば良かった。
「倉庫を引き払ったからもうないよ!」って言われて愕然とした僕は、その日からその知人と話をしていない。
そしてある日、有名な中古ショップで間違いなく自分の道具だと確信できるアイゼンを見つけてがっかりするのだった。
二つ並んでいたそのアイゼンは某メーカーの色違いのセットで、専用袋の状態など何処から見ても自分と嫁のアイゼンに違いない。そもそも、そのアイゼンを色違いで持っている日本人なんて他にいるとは思えないくらいレアなのだ。
道具を揃えなおすには年齢がネック
寝込んでしまうほどショックだった道具遭難事件だけど、それよりも今さら(50代半ば)道具をひと通り揃えていくのは年齢的に諦めるしかない事が何とも言えない気分にさせてくれた。
同じグレードで揃えるなんて夢みたいなことは考えないにしても、ひと昔と比べればキャンプ道具はどれもこれも物凄く値が上がっているのに驚いたし、もう入手が難しいギアもいくつかあった。
モノによっては自分の感覚の2倍近い値段になっていて、それでも在庫がないとか『びっくりぽん』で、簡単に手を出せない。
こんな事だから、いまさら道具を揃えようと言う気になかなかならない。道具ってのはある程度までは揃えないと中途半端になってしまうから、目的に合わせてひと通りは必要になってくる。
鉛筆を買ってもノートがなければ買った鉛筆は役立たずになってしまうし、間違えた時のために消しゴムもいる。下敷きなんかも必要って具合に次々と連鎖する。
もしテントを買えば寝袋とか寝具がいるし(まあ、布団を持ち込んでもいいのだろうけど)、メシを食うには調理道具が欲しくなる。お湯くらい沸かせないとラーメンも食えない。
登山しようと思えば靴だけじゃダメで、ザックもレインウェアも必須アイテムだ。値段の高い安いは別と言ったみたところで、それなりにはそれなりのおカネが必要になってくる。
じゃあ中古はどうだ?って事も考えてみたけれど、やはりテントなんかは使ってみないと分からないものなので気乗りしない。
まだ自分が若くて、これからアウトドア始めます~ってなら中古で試してみるってのもあるけど、この年齢で道具を買うって事は嫌でも一生モノになるから、買うなら自分で納得できる製品にする。
退院後の車椅子生活がキッカケに
骨折で入院していた病院から自宅に戻り、ひと月ほど車椅子生活をしていた時、先日ほどじゃないけど、ちょっとだけ揺れた日があった。
ほんのちょっとだったから記憶にある人は少ないだろう。5月初旬だったと思うけど、僕はかなり怖かった。
一人で車椅子生活だったから、ここで大事になったら脱出できないし、下手すりゃ生命にかかわると思ったからだ。
翌日、僕はアマゾンに色々と注文を出した。先ずは非常用食料と水、燃料などだ。水はとりあえず2Lボトルで50Lほどを常時確保するようにした。
登山の時にたまに食べていたアルファ米(いまはピラフや炊き込みご飯なんかがあって意外に美味しい)や小型バーナーと燃料。カセットコンロ、トイレットペーパーなどの紙製品、乾麺などなど、孤立しても1ヶ月は大丈夫なように揃えておく事にした。
アルファ米はいつもはサタケが定番だったのだけど初めて尾西にしてみた。たまに食べるけど十分に美味しい。
それからずっと、1ヶ月分を最低備蓄量と決めて、入れ替えたりしながら今でもレパートリーを増やしている。レトルトなんかに多いのだけど、長期保存食品ってこんなにあるのかって驚かされる。
冷蔵庫やキッチンには日常のランニング分もあるから、穀物や乾麺なんかも含めたら2ヵ月間はイケるかも知れない。
そうなると水の備蓄量はまったく足りておらず、片手落ちになっているのがよく分かる。乾麺があっても水がなければ食べられない。
当面の対策としてビールを増やしたwww
これはまったくの個人的な見解だけど、カロリーやミネラルの観点からはビールはとても優秀な非常食だと思っている。
ただ、いくら備蓄したところで、脱出が必要な状況になったらペットボトルなんて意味がない。そんな重いものは持ち出せないし、じゃあ飲料水は結局どうするんだって問題に立ちかえる事になる。
食料はけっこう軽くてカロリーのある商品があるから1週間分くらいならザックにでも入れて持ち出す事は難しくないけど、水を1週間分なんてとてもじゃないけど無理だ。
じゃあどうするのかってと言うと、携帯タイプの浄水器を一つ持っておく事といい。
フィルター式で汚れた水をきれいな飲める水にするやつだ。アウトドア用品として安価な製品もあるけど、できれば軍隊が導入しているモノがいいと思う。1台で100L以上の飲料水を作れるのであれば、家族4人で2週間くらいは大丈夫だ。
どうせ買うのであれば、非常時には命に係わるアイテムなので安物はやめておいた方がいいと思う。
とまあ、色々と書いていくと、防災用品の大半はアウトドア用品と被ることが分かる。
実際、テントだってもしかしたら非常用に役立つかもしれないし(もちろんそんな場面はゴメンだけど)、寝袋なんてのは体育館で寝るには持って来いではないか。
東日本大地震の時の東北はまだ雪がちらついていて寒かったし、いざの時に暖かい食事が摂れるのは心強い。いつもいつも自衛隊が即応できるとも限らないのだ。先ずは自分で自分を身を守る準備をしておく事が大切だ。
よって、自分としては防災用品としての一面を優先してアウトドア道具を揃え直す事にした。
で、いまではテーブルやお皿などがアウトドア用品になっていて、我が家ではカレーライスはコールマンのお皿で食べるているし、味噌汁はメラミンのカップで飲むのが日常なのだwww
これから揃えたい道具いろいろ
先ずはテントを注文する事にした。もう大型のものは不要だけれど、娘に聞いたら一緒に行くとおっしゃるので3~4人サイズのテントと寝袋が二つあればキャンプらしき事は出来る。こんな感じ☟
ランタンなんかはキャンプ場でレンタルしてもいいし、LED型ならメーカーにこだわる必要がないので買っても安く済む(面白くないけど防災面ではこっちが便利)。
カセットコンロは家でも使うし、マイクロレギュレーターなんかもあるから、鍋釜を兼用とすれば調理道具は既に揃っている。でも、アウトドア気分を満喫したいならダッチオーブンなんかは必須アイテムだ。普段はガスレンジで使えばいい。
この他にも、太陽光パネル付きの小型蓄電池とかジェネレーターとか考えだすとキリがなく、予算は青天井で増えてしまうからやはり耐える日数を決めて逆算するのが良いだろう。
クルマは社用を使えばいいから、テントと寝袋が届いたら、とりあえず娘でも誘ってキャンプ場へ行くべしなのだ。
※タイトル画像は【みんなのフォトギャラリー】からお借りしてきました