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なんでそう説明してしまったの?~伝えるべきことが歪んだ情報~

 みなさんこんにちは。
 藤月かごめです。
 今回は胡乱な話のコーナーです。
 X(ツイッター)で見たMTGのカードの能力について、質問とその回答で「すんごいモヤっとした!」と思ったので、少しそのことについて書こうと思いました。

《狩人の贖罪》について

 なんのカードについての質問だったかといえば、《狩人の贖罪》という英雄譚のカード。そのⅡ章での能力について。
 『Ⅰ章で出したトークンを生贄に指定した後、相手がトークンを除去することは可能か』というもの。

 この記事を読んでいるようなMTGプレイヤーはきっと効果やルールにも詳しいので、すぐに「できるかできないか」を答えられたものだと思いますが、私はこの質問、「めっちゃ変な聞き方するなぁ」って思いました。
 結論から言えば、「できない」。
 生け贄に捧げるのは対象をとる効果じゃないから、能力の解決に入った後ですからね。『指定した後』なら『ライブラリーから探し、切り直す』までの一個の能力ですからね。優先権が介入できるタイミングはないですよね。
 この質問の情報が正しいのなら。
 質問した人も『能力の解決中』ってのは理解できているようで、後で追加の質問をしていました。
 ここで何を言いたいかといえば。
「この質問の仕方だと、『能力の解決に入った後』相手がなにかしてこようとした風に聞こえるなぁ」ということ。

 そして回答者も、文章から『効果の解決に入っている』ものとして回答したのが上の画像。文章はXからの抜粋である。
「こう質問されたら(他に情報ないし)回答者はこう答えるしかないよなぁ」という気持ちと。
「これ、多分、英雄譚が誘発したときに『なにも対応なければトークンを生け贄に捧げたいです』とか、テーブルトップで宣言したパターンかな」っていう推測が生まれました。
 きっとこれが試合中のジャッジ・コールで、対戦相手がいたら、「いいえ、能力の解決に入る前に除去を打ちました」とか反論してくるんじゃないかなっていう思い。
 そして、この回答者はなんで『知った後』っていう言葉を使ってしまったのだろうか。という疑問。

『知った』というのは『宣言の仕方』で変わる悪い例

 先述の通り、相手が「英雄譚の効果が誘発します。何もなければトークンを生け贄に捧げたいです」って、テーブルトップだと結構言っちゃうんじゃないかなって思う。
 そう宣言しちゃうと「相手がどれを生け贄に捧げたいか『知った後』だけど、『効果の解決前』だから優先権が発生する余地がある」ともいえる。
 絶対に英雄譚の効果使われたくないのなら、効果が誘発する前の『ドローの後の優先権』で除去してくるだろうし。英雄譚の効果誘発後のタイミングでの除去って、カウンター動かしたりして、わちゃわちゃしちゃうから、幸せになれないよって思っちゃう。
 閑話休題。
 さっき言った手順を順序だって宣言するなら「英雄譚の効果が誘発しました。何かありますか? なにもないですね、では効果の解決でトークンを生け贄に捧げます」と言っていくのが分かりやすいんじゃないかなとは思いつつ、「どうせ変わんないだろ」って思ってる部分ってつい端折りがちじゃない? というか、試合中に自分がしっかり宣言できてるか、気分が高揚してて制御できないわ、私。

遊戯王の『マインドクラッシュ』を覚えていますか?

 私は質問の回答者のいった『知った後』という表現がすごい気になった。
 テーブルトップでステップやフェイズ、優先権の進め方、宣言の仕方でX(ツイッター)でも学級会が開かれて、話題になったりするけど。
 有名どころで『宣言の仕方の問題』といえば、やはり遊戯王カードの『マインドクラッシュ』かな。古来より伝わる『宣言』と『知ってしまった情報』に対する曖昧さをよく表現しているよな。って思う。
 今回の記事では『宣言の仕方』にチャチャを入れたいわけではなく、『MTGの試合が白熱してくると、つい先走ってしまい、本来知りえなかった情報を知ってしまうときあるよね』って私は思っている。という話。
 マインドクラッシュ問題のように、マナーの穴をつこうとしたインチキプレイではなく、『故意ではないけど、情報を知ってしまう』ということは発生する。ミスはするさ。人間だもの。
 だから、回答で『知った後は優先権がないから、相手は対処できないよ』って言ってしまうと、よくわかってない人は「そうなのか、誘発したときには相手はもう優先権を得られないのか」という風に解釈するかもしれない。(この部分は追加の質問で解消されていたみたいだけど。)
 今回の場合で言えば、「クリーチャーを選ぶのは能力の解決中です。能力の解決に入った後は、生贄に捧げるクリーチャーに相手が《稲妻》を使うことはできません」って言えばよかったのではないかな。って。
 この言い方も100点とは言い難いけど、『知った後』って表現は個人的にはなんか嫌い。って思っているので、回答として逸脱しない範囲(そしてXでの文字数で伝えられる範囲)では、こんな感じになるんじゃないかなと。

おわりに

 個人的にはまた聞きの他人の回答はあまり信用していない。そして、自分自身も。(信頼できるつよつよプレイヤーさんは何人もいるけどね)
 カードの効果で、「こうなるよ」って教えてもらったことも、うまくできないことがある。その場合は、質問したのが限定的で実は違う効果だったり、自分の説明が下手で、状況再現できていないのが原因だったりするけども。
 「その挙動になるのは、どんなルール(MTGで言えば総合ルール)が論拠になっているのか」というのを知るのは結構重要だと思ってる。必死に総合ルール漁ったけど、MTGwikiの解説部分でしか「そうなるからそうなる」ってとこまでしか調べられないこともあるけどさ。
 ある程度、総合ルールまで理解していれば、ジャッジに質問するときも、どういう情報を相手に渡せば、正しくジャッジしてくれるだろう。と予測がたったりする。
 上の《狩人の贖罪》も、最初に質問した人の説明だけで、実際の試合が進んだら、「そうなのか、トークンは除去できないのか」と納得するしかないが、英雄譚が『誘発する』『効果の解決に移る』の2段階で進むことを知っていれば、「いえ、私が除去を打ったのはこのタイミングです」ということができるかもしれない。
 私もMTGの素人ですから、間違ったルールの解釈をすることも多いけれど、『知ろうとすること』で勝てる勝負もあると思うよ。
 以上、今回の胡乱な話でした。
 うまくまとまってないような気もするけど、これ以上話すのも蛇足な気がするので終わります。
 あでゅー。

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