猿〜シリーズ 鍵の歴史13〜
「#猿」は #引き戸 の内側に #設置 される #木片 を用いた #戸締まり錠 で、はまり込んだ木片が #閂 の役割を果たします。
なお、#動物 の猿が取った物を絶対放さないと言われている事が、この名称の由来です。
「猿」は #日本独特 のもので、#古代 の #日本 では #引き戸 が主流であった為、広く活用されてきました。
また、今日の #雨戸 にも同様の仕組みが活用されており、現在は既存の雨戸に猿の #仕組み を追加する為に、「#落とし錠」というものが販売されています。
ここで、比較的馴染み深い雨戸について、この「猿」の役割を説明すると、#戸袋 から引き出された雨戸の内側下部に付いている閂が、自重で #敷居 の穴に落ちて戸が自動的に #固定 されるという仕組みであり、現在でいう #オートロック に相当します。
さらに、内側から閂の #切り欠き に #横桟 を差し込む事で #こじあけ を防ぐ事ができ、こうした仕組みを持つものが「猿」、細かい分類で言えば「#落とし猿」になります。
落とし猿は重力で自動的に #施錠 しますが、他の猿の場合は内側から手動で施錠する必要があり、例えば、#法隆寺精霊院 の #内陣 と #脇陣 を隔てる #格子戸 には、落とし猿の変型版が設けられています。
#戸 を左方向に閉じると、格子戸に組み込まれた木片が敷居の窪みに落ち込み、この状態で戸を右方向に開こうとしても、木片が引っ掛かるので開きません。
しかし、上から穴に細い #円柱状 のものを差し込むと、格子戸に組み込まれた木片が反時計回りに回転して、右方向に戸を開く事ができます。
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