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ウナギあれこれ

暑い日が続きますね。ウナギを食べて元気を出そうと思っても、国産は値段が高く手が出ません。そういう時は国産ウナギの肝の串焼きを買ってます。ところで、日本人はいつからうなぎを食べていたのでしょうか?

まず、日本では縄文時代後期の貝塚からウナギ(の骨)が出土しています。
例えば、霞ケ浦周辺の陸平おかだいら貝塚(茨城県)、旧三井家邸宅跡地にあった伊皿子いさらご貝塚(東京都)、渥美半島にある堀内貝塚(愛知県)などです。時期は今からおよそ4500年前の話。

縄文時代は一万数千年とも言われてますから、縄文後期までウナギが見つかっていないのは、回遊の変化だったのか、それともいたけれど誰も食べようとしなかったのか。縄文後期は寒冷化に向かう時期なので、獲れる食物が変化し恐る恐る食べてみた所「意外と美味しい!」と案外病みつきになったのかもしれません。

弥生時代の集落だと、例えば唐子・鍵遺跡(奈良県)からウナギが見つかってます。奈良時代の万葉集には、夏痩せにウナギがいいと大伴家持が詠んだ歌もあるそうです。

二ホンウナギの生態ですが、グアム島やサイパン島があるマリアナ諸島の西の沖、3,000~4,000mの深海で卵を産みます。卵からかえった幼体はフィリピン北東沖を経て、黒潮に乗ってシラスウナギへと変化。その後沿岸諸国の淡水の河川でクロコという状態に変わり、川や池、湖などで数年から十年を過ごします。そこで、おなじみのウナギと言われる状態になります。

ちなみにヨーロッパにもウナギがいて、古代ギリシャの詩人アルケストラトスは「ウナギはご馳走の王」といい、紀元後四世紀以降に成立した古代ローマの料理書には、ウナギにかけるタレの項目まであります。日本では室町時代後期に酒と醤油に山椒みそで味付けした筒焼きの状態で食べ、ウナギを割いて焼くようになったのは江戸時代からだそうです。

ところで令和3年の国産ウナギ養殖生産量は約2.1万トン、中国・台湾等からの輸入が4.3万トンでした。そして国内生産量1位はなんと鹿児島県、次いで2位が愛知県、3位宮崎県です。養殖に使うシラスウナギは年々減少して値段が高騰してるそうですが、最近になってウナギの稚魚を人工的に大量生産してコストを大幅に下げる技術を水産庁が発表したという記事もあり、ぜひとも将来に向けてがんばって欲しいです✨

最後までお読みいただきありがとうございました💖

参照:wiki「伊皿子貝塚」、「唐子・鍵遺跡」
『シーザーの晩餐』塚田孝雄 著
「ウナギおいしい」縄文人は目覚めた 霞ケ浦の貝塚調査 [茨城県]:朝日新聞デジタル (asahi.com)
【新美貴資の「めぐる。〈118〉】縄文人も食べていたウナギ  魚食のルーツは縄文時代にあった - 里山川海を歩くライターの活動記録 (hatenablog.com)
ウナギという生物の知られざる素顔と生態 |WWFジャパン
ウナギの人工稚魚を大量生産 水産庁、民間に技術提供 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
国産ウナギについて|日本養鰻漁業協同組合連合会【ウナギ養殖の生産者団体】 (unagi-nichimanren.or.jp)

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