「富士山」(3,776m) ~日本最高峰からの御来光~
長年の念願だった日本最高峰に挑戦しました。(2006年7月15日)
写真は、九合目からの御来光。手前は山中湖。
「高山病」「気温差」「下山時の砂埃」等、従来登ってきた山とは異なる課題に遭遇しましたが、天候にも恵まれ、御来光を拝んだ時の感動は筆舌に尽くしがたいものがありました。
金曜日の定時(17:30)に、横浜から、会社のメンバーと、車で須走口五合目まで。須走口五合目には、21時に着いて、そこから登山開始です。
■行程■
22:00 須走口新五合目(1,970m)出発
売店で"しいたけ茶"を頂く。樹林帯の中を登り出す。御殿場方面の夜景が美しい。
23:30 六合目(2,627m)
まだ気合い入っており、眠気はなし。山頂はすぐそこに見える。
24:00 本六合目(2,740m)
大分、息が苦しくなってきた。15分休憩し出発。満月に近いため、ヘッドランプを消しても辺りを見渡せる。月明かりがこんなに明るいとは、新たな発見。
01:10 七合目(2,920m)
気温が下がってきた。ジャケットを着込む。
01:55 本七合目(3,190m)
眠気と疲労と高山病のせいか、軽い頭痛に。休憩中、眼を閉じると、そのまま寝入ってしまいそう。
02:25 八合目(3,270m)
ここまで大丈夫だった足もかなり疲れてきた。休憩後立ち上がるのがだんだん苦痛になってきた。
03:00 本八合目(3,360m)
このあたりから、東の空が明るくなってきた。明けの明星が美しい。意識もかなり朦朧としてきた。本八合目からは、吉田・河口湖口からの登山者と合流。
03:30 八合五勺(3,456m)
ここから山頂までは登山者で数珠つなぎの状態。日の出前の空の変化を楽しみながらゆっくりと登る。10歩進んでは止まる渋滞状態。
04:30 九合目あたりで御来光
太陽が丸い形を現す。山頂付近でバンザイの声があがる。幻想的な自然劇場。太陽はみるみる上り、あたりはモルゲンロート状態に。徹夜明けの眼に眩しい。
05:00 久須志神社(3,700m)
鳥居を抜け、ようやく山頂小屋に到着。頭痛は酷いが、気分は高揚している。東京屋でうどんを食べる。少し休憩し「お鉢巡り」に出発。
06:10 剣が峰(3,776m)
大日岳を越え、お鉢を覗き込む。前方には、目標の「剣が峰」。宝永山を左に眺めながら、御殿場口・富士宮口からの到着点、浅間大社奥宮に。剣が峰への登りはジェットコースターの最初の坂のような形状で、砂礫が多く登り辛い。測候所跡を経て、ようやく3,776mの三角点に触れる。達成感が身体を走る。北側には、「影富士」が見事にできており、南アルプスから本栖湖、青木ヶ原が美しい。鳴沢側からは、河口湖もくっきり見える。普段ならなんともない登りも、高山病のせいか非常にきつい。
07:30 久須志神社から下山開始
快晴の中、八合目までの景観は雄大そのもの。みるみる山頂が遠ざかっていく。
08:00 八合目
下方からガス発生。どんどん大きくなってくる。ここから下りは「砂走り」。砂埃がひどい。息を止めようにも、酸素不足で止められず、埃をもろに吸い込む。マスクは必需品だ。
08:50 七合目
砂払五合目まで、延々「砂走り」。膝への負担は大きい。酸素濃度が上がっていくのが分かる。
09:40 砂払五合目売店
ここから樹林帯に入る。登りの時は夜間で見えなかったダケカンバ等の広葉樹林の中をひたすら下りていく。
10:00 須走口新五合目着
出発から、丁度12時間。一睡もせず貫徹したのは、いつ以来だろう。心地よい達成感とほどよい疲労感で、頭の中が陶酔していく。
道中、箱根湯本温泉で汗を流し、小田原駅から新幹線で帰路に。「爆睡」とはこういうことを言うのだろう。名古屋停車は気づかず、気がつけば京都駅。充実感に満ちた2日間でした。
■Tips■
◆装備(7月15日)
・ウエア:長袖アンダーと厚手のウールトレールシャツにベスト。
七合目からは、レインウエアを着込んだ。山頂までこれでOK。
下も、八合目からレインウエアを重ね着してOK。
・手袋:寒さ対策、兼、転けた時の怪我防止のため必需品。軍手でOK。
・ヘッドライト:瓦礫、段差あり、夜間登山では必携。
・水:こまめな水分補給が必要。各山小屋でも売っているが、1.5L程度は持参した方が良い。
・食料:チョコ、飴の他、ソーセージが良かった。
[以下は持っていかなくて後悔した装備]
・マスク:下山時の「砂走り」での砂埃対策は必須。これが無いと、数日くらい痰に砂が入っている様な気がするくらい吸い込んでしまう。
・ストック:これも下山時に必要。とにかく距離が長く膝への負担が大きい。
・携帯酸素:気休めかもしれないが、高山病で頭痛がひどい時、友人に貸してもらい生き返った気がした。軽いものなので、お守り代わりにでも持参した方が良かった。
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