見出し画像

タテの国:感想と精神的な視野の狭窄

Twitterでバズっていたのがきっかけでタテの国を一気読みした。
結論としてバカ面白かった。私自身SF好きなのもあり、ぶっ刺さりにぶっ刺さりまくった。

漫画の内容について説明するのはこれから読者になる人に対して野暮だろう、これを読んでいる人はきっと既に読んでいる人かこれから読む人だ。

クリストファー・ノーランや弐瓶勉などが好きな人には私と同じように刺さるだろう。

宇宙、時間、空間などを含むSFの知識、物語の構造、伏線の回収、タテ読みであることの漫画的な要素。すべてが完璧にマッチしていた。初めてインターステラーを観た時以上の感動が今私を包んでいる。

というのもインターステラーは観る前から存在を知っていた。名作であるらしいと聞いて観て、実際に名作だった。

タテの国のことは寡聞にして知らなかった。漫画はよく読む、たぶん普通の人よりは読んでいると思う。漫画を読まない日はほぼないし、20年ほど前にインターネットに触れてからweb漫画も大量に読んできたし、新都社やTwitter漫画も見てきた。10年以上ジャンプ、マガジン、サンデーは購読し続けているし、頭からケツまで全作品読んでいる(他にも読んでいる雑誌はあるのだが、滞っているものも多い)。知っているが読んでいない、もしくは合わなかった作品がほとんどだと思っていた。

それでも見逃していた。意味が分からない。この世界はどうなってるんだ。いつまで経っても未知の存在がいる。自分の見ている世界が狭いことなんて自覚していたし、ジャンプルーキーはたまに覗く程度だったので見落としはあることもわかっていた。

それでもこんなに面白い漫画を今まで知らなかったのか。本当に意味が分からない。この世界どうなっているんだ。

読み終わった後で調べてみるとVtuberの社築がオススメしていた動画も出てきた。その配信、見かけたこともあるのだが1周目で知っている漫画しか出てこなかったため、視聴を途中で辞めていた。そんなことある?綺麗に視界から逃していた。

ひとつ前の牛乳パスタの記事が小ヒットした感想記事で知られることは凄いと書いたが、本当にそうだ。約10万いいねされるような作品が、これまで私の視界に入ってきていなかった。自他共に認める漫画読みだったにも関わらず。寡聞が過ぎる。生涯私は知らないことと出会い続けるのだろう。

仕事で精神が死んでいた時期や別のコンテンツに夢中になっていた時間に、どうしてもそれ以外の出来事は見えなくなる。当たり前だが私が生きている時間には70億人以上に同じように時間が流れている。過去の積み重ねもあるし、未来に生まれる作品もまだまだあるだろう。改めて思うが人の一生は短すぎる。

とにもかくにもタテの世界は本当に面白かった。SF好きなら確実におすすめできる作品だ。

観たいものも読みたいものも尽きないのでサポートいただければとても助かります。