記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

いつだって青春と音楽は隣に並んでいる ぼっち・ざ・ろっく! 【アニメ感想】

あらすじ

“ぼっちちゃん”こと後藤ひとりは
会話の頭に必ず「あっ」って付けてしまう極度の人見知りで陰キャな少女。
そんな自分でも輝けそうなバンド活動に憧れギターを始めるも友達がいないため、一人で毎日6時間ギターを弾く中学生時代を過ごすことに。
上手くなったギターの演奏動画を“ギターヒーロー”としてネットに投稿したり文化祭ライブで活躍したりする妄想なんかをしていると、気づいたときにはバンドメンバーを見つけるどころか友達が一人も出来ないまま高校生になっていた……!
ひきこもり一歩手前の彼女だったがある日“結束バンド”でドラムをやっている伊地知虹夏に声をかけられたことで、そんな日常がほんの少しずつ変わっていく──

公式サイトより

感想

ネットの流行りから遅れること数ヶ月、アマプラで全話観ました。
覇権アニメと言われただけあって演出もテンポも作画も構成も音楽もキャラクターも全部良かった。超良くできてる。令和を代表するアニメの一つになるんじゃないでしょうか。

青春だ!てぇてぇ!友情!努力!百合!音楽って素晴らしい!下北沢!エモい!そういうのは他の人に任せて誰も隙はみせていないけど自分語りから始めます。ここが良くなかったフンスフンスって褒めないとかじゃなくてこれから書く感想にはおじさんの郷愁が混じるよっていう注意喚起です。すまないとは思っている。

観ていると、けいおんだとかハルヒだとかあとシャフト作品だとかを観ていたあの頃のことをすごく思い出しました。
青い鳥のSNSでぼざろは令和のけいおんだって言われていたのを見かけたんですが、単純に世代が変わったあとの青春バンドアニメだからというより、構成と演出とテンポ感にあの頃の残滓を幻視した人も多いのではないでしょうか。

たまに入る実写演出はシャフトが絶望先生やぱにぽにでやっていたのを思い出しますし、結構大胆にザクザクと場面転換が入る感じ(ぼっちちゃんが部屋で悩んでいると思えば学校の廊下まで飛ぶ)はけいおん感というか京アニ感というかよくある表現ではあるにはあるんですけど、心理描写は地続きなのに映像だけ切り替わっていく最近のアニメのテンポの良さや展開の速さとは別のテンポ感を出してくれていて、この必要な要素以外を可能な限り省く物語のスピードと構成のまとまり方、(すごく良い意味で)懐かしい気持ちが湧きました。
あともうあの頃のオタクは全員、学祭でバンドがライブやってるとハルヒのGod Knows…が頭をよぎっちゃう病気に罹患している。

学祭のシーンでいえばオムライスにおいしくなる呪文っていうのも、メイドの定番といえば定番なんですが、題材的にどうしても秋山澪の萌え萌えキュンを思い出してしまって、これは流石に狙ってやってるだろうし結果的にそのシーンに感じるけいおんを見てた頃を思い出す郷愁のエモさと、青春を今まさに謳歌していたり直近まで謳歌していた若者達が感じるエモさの近似値を出してくれていて、原作にあるのか脚本を書いた人の手腕なのかわかりませんが、展開的にごく自然に組み込まれている流れに構成の上手さを感じました。幅広いオタクの心を刺しにきやがる。

下北沢で青春を過ごしたこともないし楽器といえば唯一学校で習ったリコーダーすらもう怪しいレベルなんですが、あの頃の記憶が刺激されまくってくるので、けいおんもアニメの終了間際に一気見したなとか、シャフトアニメは素直なオタクじゃなかったおかげで逆にハマれなかったなとか、楽器は触れてないけど高校時代友人とカラオケ行きまくってアニソン歌ったり兄の影響で聞いてた邦ロック歌ってたなとか、謎にマイナーゲームソングがUGAにだけ入ってたのなんだったんだろうとか、色んな記憶がフラッシュバックしてくるので、あ、あ、脳が、攻撃を、あ、水見式、あ、あって状態になりながらも意識を振り絞って後半は見てました。

まぁそろそろおじさんの郷愁話は満足してきたので横に置いておいて、ぼっちちゃんの顔芸がすごい話をしましょう。
なんといってもこれですよね。
あの手この手で多種多様なぼっちちゃんが見れるので面白くてニヤニヤさせられっぱなしでした。相当気持ち悪かったと思うので一人で見ていて本当に良かった。

めちゃくちゃハイテンポにボケ続ける後藤ひとり、こんなギタうまおもしれー女が好かれない理由はないんじゃ。
お気に入りはごろごろと転がってタンスに頭を強打するぼっちちゃんと、前髪をあげた拍子に萎れて死んだぼっちちゃんです。
何回も見たくなる。gifにしてデスクトップに置いておきたい。
王道(?)のナメクジぼっちちゃんや虚無顔ぼっちちゃんも良い……。すき……。
いくつかぼっちちゃんの顔芸を紹介するとこんな感じ。

顔面崩壊ぼっちちゃん
萎れて死んだぼっちちゃん
超現実ぼっちちゃん
ナメクジぼっちゃん

かわいいなぁ。顔面崩壊も一度として同じ顔しないのがボケにこだわりを感じられて凄いですね。決まった虚無顔を作るのもそれはそれでグッズ展開とか考えると強いんですけどもう頑なに多種多様に崩れる。クイズにできるレベル。制作者は同じ技を2度喰らわない黄金聖闘士達にアニメを見せる想定をしているんでしょうか。

あと最後のナメクジぼっちちゃんのサイドにいる虹夏とリョウと喜多ちゃんのようにデフォルメキャラの登場が凄い多いんですよね。デフォルメスキー(漫画やアニメで見られるデフォルメされて等身が低くなったキャラクター達を見ると8割増しで作品のことを好きになってしまう人々)としてはそれだけでも大歓喜し続けられる全12話でした。エンディングのチビキャラも勿論好きです。

ネットでは楽器を弾くアニメーションがすごい、と取り上げられているのを見ていたのでそちらは確かにとても丁寧に書かれているなと思って見ていたのですが、如何せん楽器を弾けない人間だからめっちゃすげぇ!とまで入り込めなかったです。悔しい。何か始めようかな……。
もちろん詳しくなくても聞いて観る音楽面、8話のライブハウスシーンや最後の学祭ライブシーンは良い。曲も好き。

タイトルで青春と音楽を並べたのにそこについては語れず気持ち悪いおじさんの自分語りばかりになってしまう浅はかさ。どうして私はいつもこうなるんだ……。

ハリウッド見てても思うんですけどやっぱ良い作品ってフックが多いんですよね、色んなテーマをつけてその作品を見ることができる。それでいて全体がまとまっている。青春、音楽、街、家族、陰陽、etc …。ちょいちょい挟まる邦ロックPVネタとかも、今の子達わかるんかとなりながらもそれの解説記事が出て広がりが出たりして、私みたいに演出に幻覚を見ている人もいたりして……うん、とても面白かったです。
予想よりずっと良い作品でした。原作も読んでみよう。


この記事が参加している募集

観たいものも読みたいものも尽きないのでサポートいただければとても助かります。