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ゲームの感想:FAR Lone Sails

Switchでプレイしました。
クリアタイムは3時間ほど。とても良かったです。

かつて海だった場所…滅びゆく文明の残骸が点在する世界…「船」の帆を広げ、風を受けて進め。無数の障害を乗り越え、過酷な天候に耐え抜け。いったいどこまで行けるのか?そして君は何を発見するだろうか?

Steam:ゲーム紹介文

この記事のヘッダー画像と上記の紹介文でグッときた人はプレイすることをオススメします。

ゲームとしては「船」の操作をしながら軽めの謎解きをしつつひたすら何処かへ進んでいくのみです。
ゲームというよりインタラクティブアートに近いです。
風ノ旅ビトやINSIDEなんかが好きな人には嵌るでしょう。

ゲームは一切の説明がないまま進行していきます。

はじまりの場所や、進んでいく風景や、なんらかの跡地からストーリーを想像するほかありません。
その旅路の風景が美しいです。
文明の名残、廃墟、砂海、嵐、流れていく風景にエモーショナルな気持ちを想起させられます。
絶妙に操作が必要な船もいい味をだしており、ロードムービーを観ているような気分にもなるし、旅をしている主人公を身近に感じるような気分にもなるし、望郷の風景に心動かされるような気分にもなります。

ここからは考察というか妄想というかネタバレ含みますので注意してください。

主人公は子供です。
最初、だれかのお墓の前からスタートします。
年齢的にはおじいちゃんのように見えるのですが、親の様子が見えないので育ての親なのではないかと思います。
そのおじいちゃんが亡くなり、子供は「船」に乗り、旅に出ます。
その「船」がなぜあるのかというと、ストーリーが進んでいくと見ることができる写真に船の開発者が映っています。
その開発者と船が確実に関連している様子が見て取れ、そして主人公が出発する家には船の設計図と、おじいちゃんと開発者と思わしき写真があります。
なので何かしらの事情があり、おじいちゃんは子供を育てることになり、子供には船を残せたのです。
そしておじいちゃんは死にます。
残された子供は船に乗り旅に出ます。
旅に出るときに通る風景には他の家も映っているので、人類が確実に全滅しているかはわかりません。
子供が最後の生き残りなのか、おじいちゃんに何かを託されていたのか、おじいちゃんの話を確かめたかったのか、冒険がしたかったのか、村の住人におじいちゃんが嘘つき呼ばわりでもされていたのか、なんにせよ子供は旅に出ます。

はじまりの家に留まることもできたでしょう。
途中で満足することも出来たでしょう。
孤独な旅は辛いでしょう。
それでも主人公は進みます。
その旅の先にある、なにかを信じて。
最後に辿り着いたあの場所で、主人公はなにを思ったのでしょう。
なにが起きたのでしょう。

このゲームの物語はほとんどプレイヤーの委ねられています。
答えはありません。
結論を付けるのは自分自身です。

観たいものも読みたいものも尽きないのでサポートいただければとても助かります。