[2020.8.10-16]自動化された動きを観測する人間(1)

前回話題に出した福岡伸一先生の本『動的平衡』は、ここ数ヶ月毎週参加しているZOOM坐禅会の時間に推薦図書として挙がったものだ。京都にある臨済宗妙心寺の川上全龍副住職が主催する坐禅会で、某サウナグループを通じて知り合ったくろやなぎてっぺいさんの紹介で参加するようになった。

坐禅の実践と同じくらい、説法や質疑応答の時間を共有できるのが面白い。副住職は多分野との交流も深い博識な方で、とにかく話があちこちへ脱線しまくる。ひとつ前の話題すら忘れて袋小路入りすることも多いが、こういうのは一体何の話をしているのかわからないぐらいの時が一番面白い。

私は以前、マインドフルネス瞑想を習慣化していた。スマホの瞑想アプリを片っ端から試し、なるべく胡散臭さが希薄でシンプルなものを選んで毎日実践した。「大地のエネルギー」みたいな言葉を多用する雰囲気とは距離を置き、ドライに筋トレ的に瞑想したい。そんな考えに基づく行動だった。

マインドフルネスで実践する瞑想は、「行為」として見れば仏教の瞑想とほとんど同じだ。ルーツは明確に仏教にありつつも、欧米の企業に普及させる過程でマーケティング的に宗教的な要素が取り除かれたという。だからこそここまで裾野が広がって、私が習慣化する機会も生まれたわけだ。

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毎週末に1記事ずつ追加されます。その週に考えたことを、浮かんだ順に書いていきます。 ※扱うトピック(予定):言語、生活習慣、認知行動、サウ…

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